
冬の夜、カーテンを閉めても窓のそばだけひんやりする。夏の午後、西日が差す部屋がなかなか冷えない。外の車や人の声が、夜になるとやけに耳につく。そんなとき、「雨戸やシャッターを閉めたら、少しは変わるのかな」と考えたことはありませんか。
結論から言うと、雨戸やシャッターを閉めると、寒さ・暑さ・音のどれも「やわらぐ方向」には働きます。ただし、メーカーが数字で示している効果は、窓まわりの温度や音の下がり方としては控えめです。この記事では、メーカー公式と国の資料で確かめられたことだけを、試験条件つきで整理します。
文:ガラパゴス内窓 編集部 / 更新日:2026年10月
先に結論:閉めるだけでできることと、限界
- 原因:窓は家の中でも熱や音が出入りしやすい場所です。雨戸・シャッターは窓の外側にもう一つ「ふた」をして、日差しや外気、音を一部さえぎります。
- 自分でできること:夜や日中の強い日差しの時間に閉める、というだけでお金はかかりません。閉めている間は、光や風も入らなくなります。
- 窓が関わる場合の選択肢:メーカーの数値を見ると、閉めたときの断熱の上がり方は小さめです。「毎日の寒さ・暑さをしっかり変えたい」場合は、窓の内側に窓を足す内窓も選択肢になります。
寒さ:閉めると、どれくらい変わるのか
YKK APは、シャッターを閉めると窓との間に空気の層ができ、室内外の熱の出入りをおさえると説明しています。同社の実測では、冬の夜にシャッターを閉めただけで、床に近い窓の下の枠の温度が約1.6℃高くなったとされています。
ただしこれは、2020年2月に石川県のYKK APの展示棟で、引違い窓(リモコンスリットシャッターGR付き)を1晩測った値です。外気温は開けた状態で1.2℃、閉めた状態で1.6℃と、条件が完全にそろった比べ方ではありません。ご自宅の窓や地域で同じように変わるとは限りません。
国の資料にも手がかりがあります。国土交通省の長期優良住宅化リフォームの資料(別紙9)では、雨戸やシャッターが窓の外に建築的に設置され、窓との間に密閉されない空気層ができる場合に、熱貫流率(熱の伝わりやすさ)を補正して計算してよいとされています。このとき雨戸・シャッターの熱抵抗として使う値は0.10で、窓の熱貫流率は「付属部材なしの値」と「補正した値」の平均として求めます。
LIXILの熱貫流率の一覧表(PRESEA-HのFIX窓の例)で、この考え方を数字で見てみます。
| ガラス中央部の熱貫流率(Ug) | 付属部材なし | シャッター・雨戸付 |
|---|---|---|
| 1.1以下 | 1.60 | 1.49 |
| 3.7 | 3.87 | 3.33 |
単位はW/(㎡K)で、数字が小さいほど熱が伝わりにくいことを表します。LIXILの一覧表に基づく「計算上の値」で、実際にシャッターを閉めた状態での測定値ではありません。あくまで目安として見てください。
なお、同じ国の資料には、この補正は改修タイプの評価では使えない、地域区分8では使えないなどの注意書きもあります。計算の約束ごとであることは知っておいてください。
暑さ:外で日差しを止められるのは強み
YKK APは、夏は直射日光をさえぎることで室温の上昇をおさえる遮熱の効果が期待できる、と説明しています。窓の外で日差しを止められるのは、雨戸・シャッターならではの強みです。西日の時間帯だけ閉める、スリット(すきま)のついたタイプで光を少し通す、といった使い方もできます。
一方で、YKK APのこのページには、閉めたときの暑さの下がり幅を示す数値と試験条件は書かれていませんでした。そのため、この記事では「何度下がる」とは書きません。閉めている間は、部屋が暗くなり、窓も開けにくくなります。日中ずっと閉めて過ごしたいかどうかも考えどころです。
音:数字で言えること、言えないこと
YKK APは「屋外の騒音を30dBカットできます」と案内しています。ただし条件つきで、室外が90dBの場合であり、音の大きさによって下がる量は変わる、と同じ文の中で書かれています。注釈によると、遮音の試験はJIS A 4706に規定されているJIS A 1416により、実測の対象は同社の「エピソードNEOシャッター」付き引違い窓(サイズ16520)です。
この値はあくまで「その試験体で、その音の大きさのとき」の結果です。窓のすきまの状態、取り付け方、ガラスの種類で変わります。ご自宅で30dB下がるという意味ではありません。同社の別のページでも、窓ガラスだけの状態より高い防音効果が期待できるとされていますが、dBの数値は示されていませんでした。
LIXILは、既存の雨戸枠のまま交換できる「取替雨戸パネル」の一部に、硬質発泡ウレタンを入れて断熱性・防音性を高めたものがあると発表しています(2020年)。ただし、その発表には断熱や防音の数値は載っていませんでした。
雨戸・シャッターでできること、むずかしいこと
| 悩み | 雨戸・シャッター(外側) | 内窓(内側) |
|---|---|---|
| 寒さ | 閉めている間、窓との間に空気の層ができる。メーカー実測は窓の下の枠で約1.6℃(1晩・1か所) | 窓がもう1枚増え、窓まわりの熱の伝わり方そのものが変わる(数値は性能のページで確認できます) |
| 暑さ | 外で日差しを止められる。閉めると暗くなる | 閉めずに使える。日差しの向きや量はガラスの種類で選び分ける |
| 音 | メーカー試験の例では室外90dBのとき30dB。条件つきの値 | 窓がもう1枚増え、すきまも減らせる |
| 使い方 | 閉めている間だけ。開け閉めの手間がある | 閉めたまま過ごせる。光は入る |
内窓は、お持ちの窓の内側に、もう1枚窓を取り付けるものです。雨戸・シャッターと違い、光を入れたまま使えるのが特徴です。その代わり、雨戸・シャッターがもつ台風時の飛来物への備えは内窓にはありません。両方を合わせて使う考え方は雨戸・シャッターがある窓に内窓を付けるときの記事で、ほかの寒さ対策との比べ方は寒さ対策の比較の記事で説明しています。
先にできる、お金のかからない工夫
- 冬は日が落ちたら、早めに閉める。日中は開けて、日差しを入れる。
- 夏は日差しが強く当たる時間だけ閉める。スリットつきなら、閉めたまま光と風を少し通せます。
- シャッターのレールや雨戸のすきまにほこりがたまっていると、閉まりが悪くなります。ときどき掃除をします。
よくある質問
シャッターを閉めたら、窓の結露は減りますか
メーカー公式のページでは、シャッターを閉めたときの結露への効果を示す数値は確かめられませんでした。結露は、窓の室内側の表面温度と室内の湿気で決まります。結露が気になる場合は結露のページもあわせてご覧ください。
雨戸を閉めると、寝室はどれくらい静かになりますか
メーカーが示している数値は、決まった試験体と決まった音の大きさでの値です。ご自宅の窓と同じ結果になるとは言えません。音の入り方は、窓のすきまの大きさや、ほかの壁からの音によっても変わります。
雨戸があるのに、内窓を付ける意味はありますか
雨戸・シャッターは閉めている間しか働きません。閉めずに過ごす時間が長い窓では、内窓のほうが違いを感じやすい場合があります。いまの窓の状態によって変わりますので、窓の写真を送っていただければご案内します。
まとめ:閉めれば「やわらぐ」、変えたいなら窓そのもの
雨戸・シャッターは、お金をかけずにすぐ試せる対策です。閉めると、日差しをさえぎり、窓との間に空気の層ができ、音もやわらぎます。一方で、メーカーが数字で示しているのは、条件を決めた測定の値です。毎日の寒さ・暑さ・音をはっきり変えたいときは、窓そのものの性能を見直す必要があります。内窓の性能については、数字つきでまとめています。季節ごとの悩みは冬の寒さ、夏の暑さ、防音のページも参考にしてください。
お見積りは無料です。費用は窓の大きさ・数・ガラスの種類で変わるので、窓の写真を送っていただければお出しします。LINEでのご相談、またはお問い合わせからお気軽にどうぞ。
関連する記事
この記事の出典
- YKK AP「LIVING:日々の暮らしを快適にするウインドウシャッター」(2026年10月に確認。冬季実測の注釈)
- YKK AP「雨戸とは?シャッターとの違いや役割と選び方」(2025年1月31日更新。2026年10月に確認。遮音の試験条件)
- YKK AP「シャッターの5つの役割とは?」(2026年10月に確認)
- 国土交通省 長期優良住宅化リフォーム推進事業 資料 別紙9「附属部材をもちいた開口部の熱貫流率の補正について」(2026年10月に確認)
- LIXIL 熱貫流率一覧 LBS002(PRESEA-H FIX窓・2024年4月2日付、2026年10月に確認)
- LIXIL ニュースリリース「シャッター 標準タイプ・耐風タイプ」(2020年6月11日)

