夕方になると、西向きの部屋だけ急に暑くなる。エアコンをつけても、なかなか涼しくならない。そんな西日の悩みで、「内窓の遮熱ガラスで何とかなりますか」とご相談いただくことがよくあります。

結論から言うと、遮熱タイプのガラスを使った内窓は、西日の暑さをやわらげる助けになります。ただし、これ一つで西日の暑さがなくなるわけではありません。できることとできないことを、メーカーや国の資料をもとに正直にお伝えします。

文:ガラパゴス内窓 編集部 / 更新日:2026年10月

先に結論:西日の暑さ対策で知っておきたい4つのこと

  • 遮熱タイプのLow-E複層ガラスの内窓は、入ってくる日ざしの熱を減らす助けになります。
  • 内窓は部屋の内側に付けるので、日ざしを窓の外で止める「外付けブラインド・すだれ・ひさし」と同じ働きはできません。
  • 遮熱タイプは冬の日ざしも減らします。寒さが一番の悩みなら、ガラスの選び方を考え直す必要があります。
  • 今の窓のガラスによっては、遮熱ガラスを内窓に使うと「熱割れ」に注意が必要です。

西日の部屋が暑くなるのはなぜ?

夏の暑さは、窓から入る日ざしの熱がいちばん大きな原因です。環境省のページでは、夏の冷房中に外から入ってくる熱の約7割が窓から入ってくると言われている、と紹介されています(出典は日本建材・住宅設備産業協会の資料)。家の形や立地で割合は変わりますが、窓の対策が大切なのは確かです。

とくに西向きの窓は、午後から夕方の低い角度の日ざしが、まっすぐ部屋の奥まで入ってきます。暑さがいちばん強い時間に、そのまま日ざしを受けやすいのが西日の部屋です。

遮熱Low-E複層ガラスの内窓でできること

Low-Eガラスは、ガラスの表面に薄い金属の膜をつけたガラスです。膜を室外側につけて日ざしの熱を通しにくくした「遮熱タイプ」と、冬の日ざしを取り込みやすくした「断熱タイプ」があります。

LIXILのインプラスの案内ページには、遮熱タイプ(グリーン・高遮熱仕様)について「夏の熱い日射熱を60%カット」と書かれています。ただし、このページには測定のくわしい条件(どんな規格で、ガラスのどの部分を測ったか)の注記が見当たりませんでした。これは「メーカーがその条件で測った値」であり、実際のお部屋で温度が60%下がるという意味ではありません。くわしい条件はメーカーのWEBカタログで確かめられます。

国の「窓の性能表示制度」では、日ざしの熱が室内に入る割合を「日射熱取得率」と呼び、小さいほど日ざしを遮ると説明しています。夏の日ざしを遮るのに向いた窓を「日射遮蔽型」、冬に日ざしを取り込むのに向いた窓を「日射取得型」と分けています。西日の悩みには、この遮蔽型の考え方が合います。

内窓ではできないこと・効果が出にくいこと

内窓は、今の窓の内側にもう一つ窓を足すものです。日ざしを「窓の外」で止めることはできません。国の資料でも、夏は庇(ひさし)・すだれ・ブラインドなどで日射を遮る工夫を勧めています。西日が強い窓なら、内窓だけでなく、外側の対策を組み合わせたほうが納得しやすい場合があります。

また、遮熱タイプは冬の日ざしも減らします。国の資料にも「日射遮蔽型は冬の日射も遮るため、とくに寒い地域での選択には注意が必要」という趣旨の説明があります。冬の寒さや結露も気になるなら、遮熱タイプにするかどうかは、部屋の向きと悩みの優先順位で決めます(内窓のガラスの選び方)。

もう一つ大切なのが「熱割れ」です。日本板硝子のYKK AP「プラマードU」向けの資料には、内窓にLow-E複層ガラスを施工する場合も熱割れが起こる可能性が高くなるので注意するように、と書かれています。ガラスの一部だけが日ざしで熱くなり、温度差でひびが入る現象です。今の窓のガラスの種類や、日ざしの当たり方を現地で確認してから、使えるガラスを決めます。

西日対策の方法を比べると

方法できること気をつけたいこと
遮熱Low-E複層ガラスの内窓入ってくる日ざしの熱を減らす助けになる。断熱や結露、音の悩みにも同時に役立つ冬の日ざしも減る。熱割れの確認が必要。窓の外で日ざしを止めるわけではない
外付けブラインド・すだれ・庇日ざしを窓の外で止められる。国の資料でも勧められている方法設置できる場所か、風や見た目はどうか、マンションの規約は大丈夫かを確かめる
断熱タイプ(日射取得型)のLow-E内窓冬の暖かさや結露対策に向く西日の暑さを減らす力は、遮熱タイプより弱い
カーテン・ブラインド(室内側)手軽にすぐ始められる日ざしはいったん部屋の中に入ってから遮る形になる

マンションの場合、窓の外側や窓ガラスは共用部分にあたり、勝手に変えられないことが多くあります。内窓は室内側の工事なので進めやすいですが、規約は確認しておくと安心です(マンションの管理規約と内窓)。

どう選べばいい?

選ぶときの目安は、次のとおりです。

  1. 悩みの1番を決める。西日の暑さが1番なら遮熱タイプを検討します。冬の寒さが1番なら断熱タイプのほうが合うことがあります。
  2. 今の窓のガラスを確かめる。熱割れの心配があるガラスかどうかを、現地で見ます。
  3. 外側の対策もあわせて考える。すだれや外付けブラインドを足せるなら、いっしょに使うと納得しやすくなります。

夏の暑さ全般については、夏の暑さ対策のページも参考にしてください。内窓のデメリットも正直にまとめています(内窓のデメリット8つと後悔しない選び方)。

費用と見積りについて

お見積りは無料です。費用は窓の大きさ・数・ガラスの種類で変わるので、窓の写真を送っていただければお出しします。西日の当たる窓と、そうでない窓で、ガラスを変えるご提案もできます。

よくある質問

遮熱ガラスの内窓を付ければ、エアコンはいらなくなりますか

いいえ、エアコンがいらなくなるとは言えません。日ざしの熱を減らして、エアコンが効きやすくなる助けにはなりますが、暑さの程度は家の造りや窓の大きさ、日ざしの強さで変わります。

遮熱タイプにすると、部屋は暗くなりますか

ガラスの色や種類によって、見え方や明るさの感じ方は少し変わります。気になる方は、サンプルで色味を見ていただくのがいちばん確実です。

遮熱タイプと断熱タイプ、結局どちらがいいですか

窓の向きと一番の悩みで変わります。西日の暑さが一番なら遮熱タイプ、冬の寒さや暖かい日ざしを大切にしたいなら断熱タイプが候補です。迷うときは、窓の向きと悩みを教えていただければ、一緒に考えます。

まとめ:遮熱の内窓は「助けになる」。外側の対策とあわせて考える

遮熱Low-E複層ガラスの内窓は、西日の暑さをやわらげる助けになります。一方で、日ざしを窓の外で止められないこと、冬の日ざしも減ること、熱割れの確認が要ることは、知っておいていただきたい点です。無理におすすめはしません。お部屋の向きと悩みに合う方法を、いっしょに選びましょう。

西日の当たる窓の写真を送っていただければ、向いているガラスをお伝えできます。LINEでのご相談、またはお問い合わせからお気軽にどうぞ。

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この記事の出典

  • LIXIL「インプラス ガラスのご紹介」ページ(遮熱Low-E複層ガラスの説明。2026年10月に確認)
  • 国土交通省・経済産業省・環境省 ほか「省エネ性能向上のための窓の性能表示制度」リーフレット(2023年4月発行。日射熱取得率、日射遮蔽型・日射取得型の説明)
  • 環境省 COOL CHOICE「窓の断熱リフォームから、暮らしの脱炭素を始めよう」(夏の熱の約7割が窓から入るという説明。2026年10月に確認)
  • 日本板硝子「YKK AP プラマードU 向け スペーシア・スペーシアクール内窓施工時の注意事項」資料(内窓にLow-E複層ガラスを使う場合の熱割れの注意)

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