内窓(二重窓)は、今ある窓の内側にもう一つ窓を付けるリフォームです。暑さ・寒さ・結露・音の悩みに効く一方で、「開け閉めが面倒になった」「思ったほど変わらなかった」という声があるのも事実です。

この記事では、内窓のデメリットを8つ、包み隠さずまとめました。それぞれに、私たちが大阪・東京・愛知・福岡などの現場で実際にどう対応したかを添えています。読み終えるころには、ご自宅の窓に内窓が向いているかどうか、判断できるようになるはずです。

文:ガラパゴス内窓 編集部 / 更新日:2026年9月

先に結論:後悔の多くは「窓選び・ガラス選び・納まり」で防げます

内窓の後悔は、大きく3つに分けられます。

  • 使い勝手:開け閉めが2回になる、掃除の場所が増える
  • 効果:ガラスが悩みに合っていない、付けていない窓が残っている
  • 見た目・納まり:窓枠から出っ張る、窓の形が変わる

どれも、工事の前に知っていれば避けられるか、小さくできるものです。反対に、ここを説明しないまま工事を進めると、後から「こんなはずでは」となりやすくなります。ひとつずつ見ていきます。

デメリット1 窓を開けるのに、動作が2回になる

内窓を付けると、外に出るとき・換気するときに、内窓と外窓の2枚を開けることになります。いちばん多く聞く不満で、ベランダへ洗濯物を干しに出る掃き出し窓や、毎日換気するキッチンの窓ほど気になります。

対策:全部の窓に付けることにこだわらず、「開け閉めの回数」と「暑さ寒さの強さ」を窓ごとに比べて決めます。福岡市南区の戸建てでは、換気に使う小さな窓は見送り、大きな窓を中心に8か所へ付けました。反対に、ほとんど開けない窓は、開かない「FIX(はめ殺し)」の内窓にすると、使い勝手の不満はほぼ出ません。

デメリット2 掃除する場所が増える

ガラスの面とレールが2倍になります。特に、内窓と外窓の間はほこりや虫の死骸がたまりやすく、手も入りにくい場所です。

対策:内窓の障子(ガラスの入った戸)は、室内側から外して洗えます。外窓の外側を掃除するときも、内窓を外せば作業できます。大掃除のときに一度外すくらいの頻度で十分、という方がほとんどです。結露を毎朝拭いていたお宅では、「拭く手間が減った分、差し引きで楽になった」という声もよくいただきます。

デメリット3 付けられない窓、形が変わる窓がある

内窓はどんな窓にも付けられるわけではありません。LIXILのインプラスの場合、メーカーは次のような窓には取り付けできないとしています(出典:LIXIL よくあるお問い合わせ)。

  • 内側に倒れる窓(内倒し窓)、回転する窓、内側に開く窓
  • エアコンが付いている窓、換気の機能が付いた窓
  • 天窓など、垂直な壁の開口部ではない窓

また、付けられても、今の窓と開き方が変わることがあります。ここを知らずに工事すると、「思っていた形と違う」という後悔につながります。

キッチンのルーバー窓の内側に、開かないFIXタイプの内窓を取り付けた様子
ルーバー窓に合う内窓はないため、キッチンは開かないFIXの内窓にしました(福岡市城南区)

現場では、次のように対応しています。

  • ルーバー窓:合う内窓がないため、開け閉めする場所には内開き窓、ほとんど開けない場所にはFIX窓を付けました。
  • 細長い外開き窓:サイズによっては、作れるのがFIXだけのことがあります。現場調査でお伝えし、ほとんど開けない窓だったのでFIXで納得いただきました。
  • 腰窓とFIX窓が上下に並んだ縦長の窓:中間の横枠(段窓無目)で上下に分け、引き違いとFIXを組み合わせました。
  • 左右で障子の位置が違う「偏芯」の窓:鍵や引手の位置に合わせて、内窓の障子の位置をずらして製作しました。

関連する施工事例:ルーバー窓(福岡市城南区)/外開き窓(福岡県那珂川市)/縦長の窓(名古屋市瑞穂区)/偏芯の窓(福岡県みやこ町)

デメリット4 窓枠の奥行きが足りないと、室内側に出っ張る

内窓は、今の窓枠の内側に取り付けます。そのため、窓枠にある程度の奥行きが必要です。インプラスの場合、メーカーの目安は引き違い窓で70mm以上、開き窓・FIX窓で55mm以上です(出典:LIXIL よくあるお問い合わせ)。

奥行きが足りないときは、「ふかし枠」という枠を足して取り付けます。その分、内窓は部屋側に出っ張ります。カーテンレールとぶつかる、窓辺に置いていた物が置けなくなる、といった点は事前に確かめておきたいところです。

窓枠の奥行きが足りない窓に、ふかし枠を足して内窓を取り付けたマンションの施工例
奥行き2cmの窓枠に、四方50mmのふかし枠を足して取り付けました(福岡県粕屋町)

対策:福岡県粕屋町のマンションでは、窓枠の奥行きが2cmしかなく、四方にふかし枠(50mm)を足しました。仕上がりは窓枠が室内側に5cmほど出るイメージで、そのことを工事の前にお伝えしています(事例)。カーテンを付けたい場合は、カーテンレールを取り付けられる仕様のふかし枠もあります。

もう一つの方法は、薄い製品を選ぶことです。YKK APのウチリモは、従来品より薄くなり、カーテンレールや窓の位置の関係で付けられなかった窓にも付けやすくなっています(出典:YKK AP「内窓をつける」)。製品ごとの違いはウチリモ・インプラス・プラストの各ページで紹介しています。

デメリット5 ガラスを選び間違えると、効果を感じにくい

内窓の効き目は、枠よりもガラスで大きく変わります。「冬の寒さ」が悩みなのに日差しを防ぐガラスを選んだ、「西日の暑さ」が悩みなのに一般的なガラスにした、というズレが、「思ったほど変わらない」の原因になります。

よく使うのは、金属の膜で熱の出入りを抑えるLow-E複層ガラスです。同じLow-Eでも、冬の暖かさを逃がしにくい「断熱タイプ」と、夏の日差しの熱をはね返す「遮熱タイプ」があります。音が悩みなら、合わせガラスなどの防音向けのガラスを考えます。

和室の窓に木目の枠の内窓を取り付け、窓の向きによってガラスを使い分けた施工例
東向きの窓は遮熱、南の掃き出し窓はクリアと、窓ごとにガラスを変えました(名古屋市南区)

対策:ガラスは「悩み」と「窓の向き」で窓ごとに決めます。名古屋市南区のお宅では、東向きの腰窓2か所に高遮熱タイプ、南の掃き出し窓にクリアタイプと使い分けました(事例)。

「今の窓がすでにペアガラスだから、内窓は要らない」とも限りません。福岡市南区では、既存の窓がLow-Eペアガラスでも夏の暑さ・冬の寒さを防ぎきれず、内窓を付けています(事例)。福岡県宇美町では、以前ペアガラスに交換して結露は減ったものの、暖かさは感じられなかったお宅に内窓を付けました(事例)。ガラスの種類ごとの性能は内窓の断熱性能・防音性能のページにまとめています。

デメリット6 外窓の結露が残ることがある

内窓を付けると、部屋側の窓の結露は減るのが一般的です。ただ、外側の窓(外窓)には結露が出ることがあります。YKK APは、室内の湿った空気が内窓と外窓の間に入り、冷えた外窓で冷やされるためと説明しています(出典:YKK AP よくあるお問い合わせ)。

対策:同じくYKK APは、暖房しているときは内窓をきちんと閉めることを挙げています。少しだけ開けたままにすると、湿気が入り続けて結露しやすくなります。加湿しすぎない、換気をする、といった基本も効きます。結露の悩みについては二重窓で結露対策もご覧ください。

デメリット7 一部の窓だけでは、効果が限られることがある

部屋の暑さ・寒さは、窓が何か所もあれば、それぞれから出入りします。1か所だけ内窓にしても、ほかの窓から熱が逃げれば、部屋全体の変化は小さくなります。音も同じで、音の入り口がほかにあれば、そこから聞こえます。

対策:「どの部屋の、どの時間帯の悩みか」を先に決め、その部屋の窓をまとめて考えます。大阪市此花区では、「音が気になる窓を1か所」というご相談から、お話をうかがううちに家中8か所の対策になりました(事例)。まず1部屋で効果を確かめ、翌年に寝室へ追加された福岡市城南区のお宅のような進め方もあります(事例)。

デメリット8 費用がかかる

内窓は、窓の大きさ・数・ガラスの種類・ふかし枠の有無で費用が変わります。ガラスの性能を上げるほど効果は上がりますが、費用も上がります。

対策:国の補助金(先進的窓リノベ事業など)の対象になる仕様を選ぶと、実際の負担を抑えられます。補助金は年度ごとに内容や予算が変わるため、最新の条件は補助金のページでご確認ください。

お見積りは無料です。費用は窓の大きさ・数・ガラスの種類で変わるので、窓の写真を送っていただければお出しします。

マンション・賃貸では、先に確認が必要です

内窓は室内側に付けるものですが、マンションでは管理規約で窓まわりの工事に届け出が必要なことがあります。YKK APも、マンションの場合はまず管理組合に確認するよう案内しています(出典:YKK AP「内窓をつける」)。賃貸住宅では、大家さんや管理会社の承諾が必要です。

工事が決まってから申請が通らない、というのがいちばん困る後悔です。現場調査の段階で、管理組合に出す書類に何が必要かもご相談ください。沖縄にお住まいの方は、気候に合わせて書いた沖縄の内窓のデメリット(マドアーズ!沖縄)もあわせてどうぞ。

内窓では解決しないこともあります

内窓は万能ではありません。次のような場合は、別の方法をおすすめすることがあります。

  • 外の窓そのものが傷んでいる:サッシが歪んで閉まらない、雨が入るなど。内窓を付けても外窓の傷みは直りません。窓ごと取り替える工事のほうが合うことがあります。
  • 音を「無音」にしたい:内窓で音はやわらぎますが、完全に聞こえなくなるわけではありません。換気口や壁から入る音もあります。
  • 熱や音の入り口が窓以外にある:屋根・壁・換気口が原因のこともあります。現場調査でお話をうかがい、窓で変わりにくいと思えば正直にお伝えします。

後悔しないための確認リスト

ご相談の前に、次の点を考えておくと、ご自宅に合う内窓を選びやすくなります。

確認することなぜ大事か
いちばんの悩みは何か(暑さ・寒さ・結露・音)ガラスの種類が変わる
その窓は1日に何回開けるか付けるか見送るか、FIXにするかが決まる
窓の向き(東・西・南・北)遮熱か断熱かの選び分けに使う
窓の形(ルーバー・外開き・縦長など)付けられるか、開き方が変わるかが決まる
窓枠の奥行きとカーテンレールの位置ふかし枠が要るか、出っ張りがどのくらいかが決まる
マンション・賃貸かどうか管理組合・大家さんへの確認が要る
補助金を使いたいか対象になる仕様を選ぶ必要がある

よくある質問

工事にはどのくらい時間がかかりますか

YKK APは、窓1か所あたりの施工時間を約60分としています(窓の大きさや納まりで変わります)。家中の窓でも、多くの場合は1日で終わります。壁を壊す工事ではないので、住みながら工事できます。

浴室やトイレにも付けられますか

付けられる場合が多いです。ユニットバス用の内開きタイプなど、水まわり向けの製品があります。大阪市此花区のお宅では、浴室にも取り付けました。

和室の雰囲気を残せますか

和室用の格子入りの内窓や、木目の枠の色があります。障子を外して和室用の内窓に替えることもできます。

ほかの質問は内窓に関するQ&Aにまとめています。

まとめ:デメリットを知ったうえで選べば、内窓は後悔しにくいリフォームです

内窓のデメリットは、開け閉め・掃除・付けられない窓・出っ張り・ガラス選び・外窓の結露・部分的な効果・費用の8つです。多くは、窓ごとに「付けるか、どの形にするか、どのガラスにするか」を決めることで小さくできます。

ガラパゴスでは、現場調査のときに窓を1か所ずつ見て、付けられない窓や開き方が変わる窓も先にお伝えしています。ご相談の流れはご利用の流れ、実際の仕上がりは施工事例でご覧いただけます。

窓の写真を送っていただければ、付けられるかどうかの目安もお伝えできます。LINEでのご相談、またはお問い合わせからお気軽にどうぞ。

この記事の出典

  • LIXIL よくあるお問い合わせ「内窓『インプラス』の取り付けについて知りたい」(取り付けできない窓、必要な奥行き)
  • YKK AP よくあるお問い合わせ「内窓設置後の外窓の結露を抑制する方法を教えてください」
  • YKK AP「内窓をつける」(施工時間、マンションでの確認)
  • ガラパゴス内窓の施工事例(本文中にリンク)

“内窓のデメリット8つと後悔しない選び方|施工の現場で実際にあったこと” に対して1件のコメントがあります。

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