冬の昼間、南の窓のそばだけぽかぽかするのに、日が傾くとすぐ部屋が冷えてしまう。「せっかくの日ざしを、もっと部屋に取り入れられないかな」と考えたことはありませんか。

いちばん知りたいことに先に答えると、冬の日ざしを取り入れやすいのは、南向きの窓と「日射取得型」のガラスです。ただし西日が強い窓や、夏の暑さが気になる窓では、反対の「日射遮蔽型」のほうが合うこともあります。ガラスの種類と方角の組み合わせで考えるのがコツです。

文:ガラパゴス内窓 編集部 / 更新日:2026年10月

先に結論:日ざしを取り入れるための3つのポイント

  • 原因と仕組み:窓は熱が出入りしやすい場所です。冬は「日射取得型」のガラスなら日ざしの熱を室内へ多く通し、「日射遮蔽型」は日ざしの熱を通しにくくします。
  • 自分でできること:日中はレースのカーテンも開ける、窓の前の植木の影を確かめる。お金をかけずにできます。
  • 窓が関わる場合の選択肢:南向きは日射取得型、西日が強い窓は日射遮蔽型を選ぶ、というのがメーカーの基本的な考え方です。内窓でも同じように種類を選べます。

日射取得型と日射遮蔽型は何がちがうのか

どちらも、ガラスに特殊な金属の膜(Low-E膜)をつけたLow-E複層ガラスの仲間です。ちがいは、日ざしの熱をどれくらい室内に入れるかです。この割合を「日射熱取得率」といい、数字が大きいほど日ざしの熱をたくさん通します。

区分の目安は、建築研究所の資料でもYKK APの案内でも同じで、日射熱取得率が0.50以上なら「日射取得型」、0.49以下なら「日射遮蔽型」です(JIS R 3106という試験方法で測ったガラス単体の値です)。

メーカーによって呼び名が少しちがいます。YKK APでは「日射取得型(断熱タイプ)」「日射遮蔽型(遮熱タイプ)」などと呼びます。LIXILの内窓「インプラス」では、日射取得型にあたるのが「Low-E複層ガラス クリア」、日射遮蔽型にあたるのが「Low-E複層ガラス グリーン(高遮熱仕様)」です。

まずお金をかけずにできる、日ざしの取り入れ方

環境省の「みんなでおうち快適化チャレンジ」では、太平洋側など日射量の多い地域では、1間角(幅1.8m×高さ1.8m)の窓から1時間に約600ワット、電気ストーブ1台分の太陽熱が入ると言われているとして、日中はレースのカーテンも開けて日差しを取り入れるよう紹介しています。窓の前に伸びた植木が影を落としていないか、確かめることも挙げられています。

これは地域や天気、窓の向きで変わる目安です。国土技術政策総合研究所の資料も、日射で得られる熱の量は天気に左右されると説明しています。曇りの日や夜は、日ざしの熱は期待できません。

夜は反対に、カーテンを閉めて冷気を抑える工夫が役立ちます(内窓とカーテンの関係)。

冬は取り入れて、夏は遮りたい。国の資料の考え方

国土交通省の国土技術政策総合研究所の資料(平成25年)では、住宅の暖房エネルギーを減らすには断熱性能と日射取得性能を高めることが必須で、冷房エネルギーを減らすには日射遮蔽性能が重要としています。そのうえで、暖房費と冷房費をどちらも減らすには、暖房の時期はなるべく日射を取り入れ、冷房の時期はなるべく日射を入れない工夫が必要と述べています。

季節で取り入れ方を変える方法としては、すだれ、オーニング、緑のカーテン、広葉樹の植樹があげられています。ガラスの種類は後から変えにくいので、「夏の遮り方」を別の工夫で補う考え方が基本になります。

方角ごとの考え方:南・西・東・北

YKK APとLIXILの案内をもとに、方角ごとの考え方を表にまとめました。メーカーの公式な目安であり、窓の大きさ、ひさしの有無、お住まいの地域で変わります。

方角メーカーの考え方夏への備え
南冬の低い日ざしが届きやすいので、日射取得型が合う軒・ひさし・シェードで夏の高い日ざしを遮る
西低い位置から日が差し込むので、日射遮蔽型が合う室内のカーテンだけでは熱の流入を防ぎにくい(YKK AP)。窓の外側のシェードとの組み合わせも案内されている(LIXIL)
東朝日をとり入れつつ、夏の日射対策として日射遮蔽型が案内されている冬の日ざしを活かしたい場合は、日射取得型にシェードを組み合わせる案内もある(LIXIL)
北日ざしが入りにくいため、冷えや結露を抑える側(日射遮蔽型)が案内されているそもそも日ざしの影響が小さい方角

YKK APには「日射遮蔽型(断熱タイプ)」という種類もあり、日射取得型と日射遮蔽型のどちらも、断熱性を持たせた形で選べます。西日の悩みは西日が暑い部屋の対策、北向きの部屋の寒さは北向きの部屋の対策で詳しく説明しています。

日射取得型にも、できないこと・向かないこと

  • 日ざしが入らない時間(夜・曇り・日陰の窓)は、日射取得型でも熱はあまり得られません。日射取得型は「入る日ざしを活かす」ガラスで、暖房の代わりにはなりません。
  • 夏は暑さが増えやすくなります。南向きの大きな窓に日射取得型を選ぶなら、ひさしやシェードなど外側で遮る工夫を同時に考えるのが前提です。
  • 日ざしの量は地域で大きくちがいます。日射量が少なく寒い地域では、断熱を優先して日射遮蔽型を使い、日ざしが入る部屋だけ日射取得型も検討する、というのがLIXILの案内です。
  • レースのカーテンや外付けブラインドがあると、冬に入る日ざしの熱は小さくなります(国土技術政策総合研究所の試算でも、こうした付属部材は日射取得性能を小さくする条件として扱われています)。日射取得型を選んでも、使い方で効果は変わります。

内窓を付ける場合は、いまの窓のガラスや、内窓の位置関係でも日ざしの入り方が変わります。どちらが合うかは、窓の向きや大きさ、地域を見てから決めるのが確実です。ガラスの種類全体の選び方は内窓のガラスの選び方にまとめています。

よくある質問

日射取得型にすると、夏は暑くなりますか

日ざしの熱を通しやすいガラスなので、夏に日が当たる窓では暑さを感じやすくなることがあります。南向きなら、ひさしやシェードなど外側で日ざしを遮る工夫をあわせて考えます。西日が強い窓は、日射遮蔽型のほうが合うとメーカーも案内しています。

ひとつの家で、窓ごとにガラスを変えてもいいですか

変えられます。LIXILのガラスの案内でも、方角ごとに考え方が分かれており、たとえば南は日射取得型、西は日射遮蔽型といった選び方が示されています。どの窓にするかは、窓の写真と向きを教えていただければ一緒に考えます。

内窓にしても、日ざしの暖かさは入りますか

内窓のガラスにも日射取得型と日射遮蔽型があり、日射取得型を選べば日ざしの暖かさを取り入れる考え方に沿った選び方ができます。ただし、入る熱の量は、いまの窓や天気、窓の向きで変わります。何度上がるといった数字は、お約束できません。

まとめ:日ざしは「方角×ガラス×夏の遮り方」で考える

冬の日ざしを取り入れたいなら、南向きの窓で日射取得型が基本の考え方です。西日が強い窓や夏の暑さが気になる窓は、日射遮蔽型や外側のシェードで備えます。まずはカーテンを日中に開けるなど、お金のかからない工夫から試すのも、ひとつの方法です。

次の一歩

冬の寒さ全体の考え方は冬の寒さ対策のページで、ガラスの種類の選び方は内窓のガラスの選び方で説明しています。

お見積りは無料です。費用は窓の大きさ・数・ガラスの種類で変わるので、窓の写真を送っていただければお出しします。LINEでのご相談、またはお問い合わせからお気軽にどうぞ。

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この記事の出典

  • YKK AP「お部屋別おすすめガラス」関連ページ「断熱するなら“魔法瓶そっくり?” のガラス」、「Low-E複層ガラス 日射遮蔽型(遮熱タイプ)」、よくあるお問い合せ「Low-E複層ガラスの違い」(2026年10月に確認)
  • LIXIL「インプラス ガラス」、「樹脂窓EW 日射熱の取得と抑制」(2026年10月に確認)
  • 国土交通省 国土技術政策総合研究所「住宅における日射遮蔽及び日射取得性能の評価指標の開発」(平成25年度 国土技術政策総合研究所講演会)
  • 建築研究所「外皮の日射熱取得の計算方法」(2013年7月)
  • 環境省「みんなでおうち快適化チャレンジ」断熱リフォーム関連ページ(2021年12月22日、2021年6月23日の記事)

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