
冬の朝、窓ガラスがうっすら白くくもっている。リビングの湿度計は「50%」なのに、窓の下のカーテンの裾だけ、しっとりしている。数字は問題なさそうなのに、なぜ窓だけぬれるのだろう、と思ったことはありませんか。
先に答えると、温湿度計の数字は「置いた場所の空気」の値です。部屋の真ん中の数字がふつうでも、冷たい窓のそばでは、ちがう状態になっていることがあります。この記事では、公的な資料で確かめた目安の数字と、温湿度計を窓まわりに置いて、ご自分で状況を確かめる方法を説明します。
文:ガラパゴス内窓 編集部 / 更新日:2026年10月
先に結論:数字は「目安」、置き場所で見え方が変わります
- 原因:結露は、空気中の水分が冷たい面に触れて水滴になる現象です。部屋の湿度だけでなく、窓の表面の冷たさも関わるため、真ん中の数字だけでは見えないことがあります。
- 自分でできること:温湿度計を「部屋の中央」と「窓のそば」の2か所に置いて、朝と夜の数字を数日ぶん書きとめます。お金はほとんどかかりません。
- 窓が関わる場合:窓のそばだけ湿度が高く、換気や拭き取りをしても毎日ぬれるなら、窓の断熱を見直す選択肢があります。内窓もその一つです。
国や自治体の資料にある、湿度と室温の目安
東京都の「健康・快適居住環境の指針」では、湿度の目安を40〜60%、暖房時の室温の目安を17〜22℃としています。板橋区のページも、湿度は30〜60%の間を目安にして、必要に応じて加湿や除湿をする、としています。
カビについては、板橋区が「温度20℃前後、湿度60%以上で繁殖し、湿度が80%を超えると繁殖が速まる」と説明しています。大田区は、カビが生えやすい条件を温度約20〜35℃、湿度60%以上、手垢やホコリなどの栄養分がある場合としています。札幌市の資料は、適正な湿度を40〜60%、70%以上でカビが発生しやすく、30%以下で風邪をひきやすいと整理しています。
資料ごとに数字に少しずつ幅があります。つまり「この数字を超えたら必ずカビる」という線はなく、湿度が高い状態が続くほど、カビやダニが増えやすくなる、と受けとめるのが現実的です。結露やカビが起きる全体のしくみは、別の記事で説明しています(結露とカビの関係)。
窓のそばと部屋の真ん中では、温度も湿度もちがう
冬は、外の冷たい空気で窓ガラスが冷やされます。メーカーの解説では、窓の近くで冷やされた空気が床のほうへ下りて、足元に広がる「コールドドラフト」が起きるとされています。同じ部屋でも、窓のそばと真ん中では、空気の温度がちがうということです。
空気は冷えるほど、含める水分の量が小さくなります。そのため、同じ量の水分でも、冷えた窓ぎわのほうが「湿度」の数字は高く出やすくなります。窓の表面が冷たければ、そこに触れた空気は水滴になりやすく、結露につながります。(何度差が出るかは、お住まいの窓や断熱で大きく変わるため、この記事では数字を示しません。)
東京都の「結露の防止」の指針も、部屋の隅や家具の裏などは空気がよどみ、温度が低く湿度が高くなりがちだと説明しています。温湿度計をリビングの棚の上にだけ置いて「大丈夫」と思っていても、窓のそばはちがう、ということが起こり得ます。
温湿度計を窓まわりに置いて、確かめる方法
特別な道具はいりません。温湿度計が2つあれば、次の手順で状況を見られます。
- 1つは部屋の中央(床から1m前後の、直射日光やエアコンの風が当たらない場所)に置く。
- もう1つは、結露が気になる窓のそば(ガラスから10〜20cmほど離した、窓の下の棚の上など)に置く。温湿度計がガラスに触れないようにする。
- 朝起きたときと、夜寝る前に、2つの数字と、窓のぬれ具合(ぬれていない/ぬれている/水が垂れている)をメモする。
- 3日〜1週間ほど続けて、窓のそばの湿度が中央よりいつも高いか、ぬれる日に数字がどうなっているかを見る。
この置き方や見方は、公的な資料に決まった手順があるわけではなく、編集部がご説明しやすいように整理した一般的な方法です。札幌市の資料も、湿度計を置いて数値とその変化を確かめることをすすめています。数字の絶対値より、「窓のそばと真ん中の差」と「ぬれる日の傾向」を見るのがコツです。温湿度計には機種ごとに誤差があるので、2つを並べて置き、同じ数字が出るか先に確かめておくと安心です。
数字の見方:次に何をすればいいか
| メモの結果 | 考えられること | まず試すこと |
|---|---|---|
| 中央も窓のそばも湿度が高い(60%超えが続く) | 部屋全体の湿気が多い | 換気、除湿、洗濯物の室内干しや加湿器の見直し |
| 中央はふつう、窓のそばだけ高い | 窓の表面が冷たく、窓ぎわだけ結露しやすい | 結露の拭き取り、カーテンの開け閉め、家具の位置 |
| 湿度は高くないのに窓がぬれる | 窓ガラスがとても冷えている可能性 | 窓の断熱を見直す(内窓など) |
| どちらも湿度が低く、窓もぬれない | 今は問題が出にくい状態 | 乾燥しすぎ(30%以下)に注意 |
内窓を考えるのは、どんなときか
先に、お金のかからない工夫を試してください。札幌市の資料は、結露予防にもっとも効果があるのは換気だとして、2時間に1回、5分を目安に窓を開けることを案内しています。大田区も、結露した水をこまめに拭き取ることをすすめています。
そのうえで、次のような場合は、窓そのものの断熱を考える目安になります。
- 換気や拭き取りを続けても、窓のそばだけ毎日のようにぬれる。
- 窓のそばの湿度が、部屋の中央よりいつも高い。
- 窓の下の壁紙やカーテンの裾に、黒ずみやカビが出てきた。
内窓は、今ある窓の内側にもうひとつ窓を付けて、窓ぎわの冷えをやわらげる方法です。ただし、浴室やキッチンの湿気、洗濯物の室内干しなど、窓が原因でない湿気には効果が限られます。また、窓の状態や取り付けの条件によっては付けられない場合もあります。まずは温湿度計で、お住まいの状況を見てから決めても遅くありません。
次の一歩
結露のしくみを先に知りたい方は結露対策のページが、冬の窓ぎわの冷えが気になる方は冬の寒さ対策のページが、読み進める入口になります。ペアガラスなのに結露するときはペアガラスの内部結露の記事も参考になります。
お見積りは無料です。費用は窓の大きさ・数・ガラスの種類で変わるので、窓の写真を送っていただければお出しします。LINEでのご相談、またはお問い合わせからお気軽にどうぞ。
よくある質問
湿度は何%以下にすればいいですか
資料によって幅がありますが、40〜60%を目安にしているものが多く見られます。60%を超えた状態が長く続くと、カビやダニが増えやすいとされています。一方で、30%以下は乾燥しすぎなので、下げすぎにも注意してください。
温湿度計は、どこに置くのがいいですか
部屋の中央と、結露が気になる窓のそばの2か所がおすすめです。直射日光や暖房の風が当たる場所、ガラスに直接触れる場所は避けてください。1つしかないときは、まず窓のそばに置いて、数日の変化を見ます。
湿度が低いのに、窓がぬれるのはなぜですか
温湿度計が部屋の中央など、窓から離れた場所にあると、窓のそばの冷えた空気の状態が数字に出ないことがあります。窓のそばにも置いて、比べてみてください。窓ガラスがとても冷たい場合は、湿度がそれほど高くなくても結露が起きることがあります。
まとめ:数字は2か所で見て、まず手軽な工夫から
湿度の目安は40〜60%前後、カビは60%以上で増えやすくなる、というのが公的な資料に共通する見方です。ただ、数字は置いた場所の空気の値なので、窓のそばと部屋の中央で測り比べると、状況がよく見えます。換気と拭き取りで足りることも多く、それでも窓ぎわだけぬれ続けるときに、窓の断熱を考えれば十分です。
関連する記事
この記事の出典
- 東京都保健医療局「健康・快適居住環境の指針」分野と指針の一覧(2026年10月に確認)
- 板橋区「室内の空気環境 室内の湿度」「室内の空気環境 カビが好む環境」(2026年10月に確認)
- 大田区「カビ(住まいの相談)」ページ(2026年10月に確認)
- 札幌市 広報資料「結露・カビ対策」(2014年12月)
- YKK AP/LIXIL 窓の冷気(コールドドラフト)の解説ページ

