夜、暖房を止めて布団に入ったときは、部屋はまだ暖かかった。それなのに朝、目が覚めると、吐く息が白いほど冷えている。夕方、日が落ちたとたんに、急に部屋が寒くなった。そんな経験はありませんか。

先にお答えすると、暖房を止めると室温が下がるのは、暖房で温めた空気の熱が、壁や窓などを通って外へ逃げていくためです。どこから、どのくらいの速さで逃げるかは、お住まいによって違います。この記事では、国の機関やメーカーが公表している情報をもとに、熱が逃げる仕組みと、暖房の使い方の工夫、窓の対策をお伝えします。

文:ガラパゴス内窓 編集部 / 更新日:2026年10月

先に結論:朝までの冷え込みは、「熱の逃げ道」と「暖房の使い方」で変わります

  • 原因:暖房を止めると、部屋の熱は壁・窓・床・天井などから外へ逃げていきます。環境省の資料では、冬の暖房時の室内の熱の約6割が窓から逃げるとされています(資料によって約5割とする説明もあります)。
  • 自分でできること:暖房の室温は20℃を目安にし、厚手のカーテンで窓をおおいます。短い外出ならつけたままのほうが得になる場合があり、就寝前など長い時間は切ったほうが少なく済む場合があります。まず、ここから試せます。
  • 窓が関わる場合の選択肢:窓の熱の逃げを小さくする方法として、内窓があります。ただし、窓だけで朝の室温が決まるわけではありません。

暖房を止めると、室温が下がるのはなぜ?

暖房は、空気を温めている間だけ、部屋を暖かく保っています。止めると、室内の空気の熱が、外の冷たい空気との温度差にひかれて、少しずつ外へ逃げていきます。外が冷たいほど、また、熱が通り抜けやすい部分が多いほど、室温は下がりやすくなります。

国土交通省の白書のコラムでは、断熱性の低い住宅では、暖房で得た熱が外へ逃げやすいと説明されています。そのため、同じように暖房を止めても、お住まいによって、朝の室温には差が出ます。「夜は暖かかったのに朝は冷える」のは、暖房が弱いからとは限らず、熱の逃げやすさが関わっていることがあります。

なお、実際に何時間で何度下がるかは、外の気温、家の造り、部屋の広さ、前の日にどれだけ温まっていたかで大きく変わります。この記事では、数字で「何度下がる」とは書きません。ご自分で確かめる方法は、のちほど紹介します。

熱は、どこから逃げるのか

環境省の「ゼロカーボンアクション30」のページには、冬の暖房時の室内の熱の約6割が窓から逃げる、という説明があります。図の出典は、日本建材・住宅設備産業協会の省エネルギー建材普及促進センターです。環境省のウォームビズのページには、冬に家全体の暖かい空気の約50%が窓から流出する、と書かれています。環境省のデコ活のページでは、窓などの開口部からの熱の出入りは5〜7割と言われている、と紹介されています。

説明によって数字に幅があるのは、家の造りや条件で変わるからだと考えられます。ここでは「半分から6割ほどが窓という見方が、国の資料で紹介されている」と受けとめてください。窓以外の壁・床・天井からも熱は逃げています。窓と壁や床の関係は、断熱の順番の記事で詳しく書いています。

夕方から夜に、急に寒く感じるのはなぜ?

冬は、日が落ちると外の気温が下がります。外が冷えれば、窓の表面も冷えやすくなります。体に感じる温度(体感温度)は、室温と、窓・壁・床などの表面温度の平均に近いと言われていて、窓の表面が冷たいと、室温が同じでも寒く感じやすくなります(国土交通省の白書のコラムの説明です)。窓際の寒さの仕組みは窓際の寒さの記事で説明しています。

日中は日差しが入って暖かかったのに、夕方から急に冷える、というときは、日差しが弱まったことと、外気温が下がったことが重なっているためと考えられます。ただし、これは一般的な見方で、お宅の窓の向きや日当たりによっても変わります。

暖房の切り方・つけ方の工夫

お金のかからない工夫から、順番にご紹介します。

  • 室温は20℃を目安にする:環境省のウォームビズは、暖房時の室温20℃(目安)で快適に過ごす暮らし方を提案しています。温度を上げすぎないほうが、外との温度差が小さく、熱も逃げにくくなります。
  • 厚手のカーテンで窓をおおう:環境省のウォームビズのページでは、断熱シート、複層ガラス、二重サッシ、厚手のカーテンなどで、窓から熱を逃がさない工夫が紹介されています(カーテンの記事)。
  • 長さと開け閉め:床までとどく長さにして、すき間をつくらないようにすると、冷えた空気が流れ込むのを抑えられると、メーカーの解説で紹介されています。
  • 短い外出と、長い時間で使い分ける:ダイキン工業の公開している検証(京都市のマンションの2部屋、暖房24℃の設定)では、30分程度の外出ならつけたままのほうが得になる可能性があり、夜の2時間の外出では、こまめに切ったほうが消費電力量は小さくなりました。同社は、室温・設定温度・外気温を意識して使い分けることをすすめています。

ダイキン工業の検証は、特定の部屋と機種での結果です。お宅の造りやエアコンの種類によっては、同じ結果にならないことがあります。目安としてご覧ください。電気代のくわしい考え方は、電気代の記事にまとめています。

室温の下がり方を、ご自分で確かめる方法

  1. 寝る前に、部屋の温度計の数字を書きとめる(暖房を止める直前)。
  2. 朝、起きたときに、同じ温度計の数字を書きとめる。
  3. 窓のそばと部屋の中央で測ると、窓まわりの冷え方の差も見られる。
  4. 3日〜1週間続けて、外の気温が低い日にどれだけ下がるかを見る。

これは公的な資料にある決まった手順ではなく、編集部がご説明しやすいように整理した一般的な方法です。温度計は機種ごとの誤差があるので、同じ温度計で毎日はかってください。「何度下がったか」を知っておくと、対策の前後で比べられます。

窓で変えられること/変えにくいこと

内窓は、今ある窓の内側に、もう一つ窓を付ける方法です。国土交通省の白書のコラムは、内側にもう一つ窓を付けたり、ガラスを二重にしたりして断熱性を高めると、窓から逃げる熱を大きく減らせると説明しています。窓の熱の逃げが、朝の冷えの大きな理由になっているお宅では、選択肢の一つになります。窓の対策の効果の考え方は内窓の効果のページにあります。

一方で、内窓を付けても、次のような場合は、朝の冷えが残ることがあります。

  • 壁・床・天井からの熱の逃げが大きいお宅(窓以外が主な原因のとき)。
  • 暖房が入っていない部屋と、入っている部屋の温度差が大きいとき。
  • 窓の枠の奥行きが足りないなど、取り付けが難しいとき(現地での確認が必要です)。

また、国土交通省の部分断熱のパンフレットは、断熱しない空間との温度差が広がると、ヒートショックなどの問題が生じる可能性があると注意しています。部屋ごとの温度差にも気を配ってください。

状況別の選び方

こんな状況まず試すこと次の選択肢
朝、起きたときに部屋が冷えている寝る前の室温を20℃前後にして、窓を厚手のカーテンでおおう窓の断熱を見直す(内窓など)
夕方から急に冷える日が落ちる前にカーテンを閉める(日中は日差しを入れる)窓際の冷えが続くなら内窓
短い外出のたびに切っている30分ほどの外出なら、つけたままも試す家の造りで結果が変わるので、電気代の変化を見る
窓以外のすき間や、壁・床の冷えが気になるすき間風の確認、敷物窓以外も含めて相談

次の一歩

冬の寒さと窓の関係を広く知りたい方は冬の寒さ対策のページが、断熱の性能の見方は性能のページが入口になります。寝室の冷えが気になる方は寝室の内窓の記事も参考になります。補助制度が気になる方は補助金のページをご覧ください。

お見積りは無料です。費用は窓の大きさ・数・ガラスの種類で変わるので、窓の写真を送っていただければお出しします。LINEでのご相談、またはお問い合わせからお気軽にどうぞ。

よくある質問

暖房は朝までつけっぱなしにしたほうがいいですか

一概にはいえません。ダイキン工業の検証では、就寝時のような長い時間は、切ったほうが消費電力量が小さい結果でした。ただし、室温の下がり方や健康面の感じ方はお宅や人によって違います。寒さがつらい場合は無理をせず、タイマーや設定温度の調整もご検討ください。

暖房を止めても、室温が下がりにくい家はありますか

断熱性の高い住宅は、暖房で得た熱が逃げにくいと、国土交通省の白書のコラムで説明されています。何時間で何度までと言える公的な数字は、今回確かめられませんでした。ご自分の温度計で、前後の変化を見るのがいちばん確かです。

内窓を付けたら、朝まで暖かいままですか

「暖かいまま」とまでは言えません。窓からの熱の逃げは小さくできますが、壁や床、換気、外の気温などでも変わります。窓の写真を送っていただければ、窓が原因として大きそうかどうかも含めてお答えします。

まとめ:まず暖房の使い方とカーテンから、足りなければ窓の断熱を

暖房を止めた後の冷え込みは、熱が壁や窓から逃げることで起きます。国の資料では、そのうち窓の割合が大きいと紹介されています。まずは室温20℃の目安、厚手のカーテン、外出時間に合わせた使い分けを試し、それでも朝や夕方の冷えが気になるときに、内窓などの窓の断熱を考えれば十分です。

関連する記事

この記事の出典

  • 環境省 COOL CHOICE ゼロカーボンアクション30「窓の断熱リフォームから、暮らしの脱炭素を始めよう」(2026年10月に確認)
  • 環境省 デコ活「ウォームビズとは」(2026年10月に確認)
  • 環境省 デコ活アクション「電気も省エネ 断熱住宅」(2026年10月に確認)
  • 国土交通省「国土交通白書」第I部コラム「断熱性に優れた住宅の快適性」(2026年10月に確認)
  • 国土交通省 部分断熱等実証委員会パンフレット(令和6年6月)
  • ダイキン工業「冬のエアコン『つけっぱなし』検証」2018年2月16日発表資料(2026年10月に確認)

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