
夜、布団に入ってから、道路を走る車やバイクの音が気になって眠れない。昼間もテレビの音量を上げないと聞こえない。そんなとき、「窓を変えれば静かになるのだろうか」と考える方は多いと思います。
先に答えると、窓は音の入り口のひとつで、窓に手を入れると室内に入る音は小さくなりやすいです。ただし、音の種類や家の造りによって効果は変わり、「何も聞こえなくなる」ほどの変化ではありません。この記事では、できる工夫と窓でできること、窓だけでは難しいことを、順番にお話しします。
文:ガラパゴス内窓 編集部 / 更新日:2026年10月
先に結論:音の入り口を順に確かめる
- 原因:車やバイクの音は、窓だけでなく、窓のすき間、壁、換気口などからも入ってきます。窓はその大きな入り口のひとつです。
- 自分でできること:すき間をふさぐ、窓の閉まり具合を調整する、といったお金のかからない工夫から試せます。
- 窓で変えるなら:すでにある窓の内側にもう1枚窓を足す「内窓」は、選択肢のひとつです。効果は音の種類や家の状況で変わります。
道路の音は、国がどう考えているか
環境省は、道路に面する地域の騒音について「環境基準」を定めています。基準は、地域の区分や道路の車線数によって分かれています。たとえば、2車線以上の道路に面する地域の一部(A地域)では、昼間は60デシベル以下、夜間は55デシベル以下です。ほかの区分では昼間65デシベル以下、夜間60デシベル以下です。幹線交通を担う道路に近い場所には、昼間70デシベル以下、夜間65デシベル以下という特例もあります。
もうひとつ知っておきたいのは、窓を閉めて暮らしている家の場合です。環境省は、騒音の影響を受けやすい面の窓を主として閉めた生活が営まれていると認められるときは、屋内へ透過する騒音の基準(昼間45デシベル以下、夜間40デシベル以下)によることができる、としています。つまり、窓を閉めることまで含めて「室内でどれだけ静かか」を見る考え方があります。
これらは地域全体を見るための国の基準で、「あなたのお宅の音がうるさいかどうか」をすぐに判断するものではありません。気になり方には、時間帯や、その音を聞く人の感じ方も関わります。
まず、お金をかけずにできること
- 窓の閉まり具合を見直す:メーカーの説明では、窓の建て付けやクレセント錠(窓を締める金具)を調整してすき間を減らすと、防音の効果がさらに高まるとされています。まずは、窓がしっかり閉まっているか、すき間がないかを確かめてみてください。
- 音の気になる時間と場所を書き出す:「夜中のバイク」「朝の通勤の時間帯」など、いつ・どの部屋で気になるかを書いておくと、あとで相談するときに役立ちます。
- 寝る場所をずらす:窓から遠い位置に寝る場所を変えるだけで、感じ方が変わる場合があります。
カーテンなどの布ものでも気分は和らぎますが、音そのものを大きく変える力があるかどうかは、今回確かめられた公式の資料では確認できていません。期待しすぎず、できる範囲の工夫として考えてください。
窓でできること:内窓の考え方
内窓とは、今ある窓の内側に、もう1枚窓を付けるリフォームです。LIXILは内窓「インプラス」について、既存の窓との間にできる空気の層が、外からの音が室内に入るのを抑える働きをする、と説明しています。
同じメーカーの説明では、音を防ぐ効果を高めるポイントとして次のものが挙げられています。
- ガラスが厚いほど、効果が高まります。
- 既存の窓と内窓のガラスの厚さが違うと、効果が高まります。
- 既存の窓と内窓の間を広くとるほど、効果が高まります。
- 複層ガラス(2枚のガラスの間に空気層があるガラス)では、内側と外側のガラスの厚さを変えると効果が高まります。
一方で、Low-Eガラス(断熱・遮熱のための特殊な膜をつけたガラス)に変えても、防音の性能は上がらない、と説明されています。暑さ・寒さ対策のガラスと、音対策のガラスは、考え方が別です。ガラスの種類で迷ったときは内窓のガラスの選び方もご覧ください。
窓だけでは、変わりにくいこと(限界)
ここは正直にお伝えします。内窓には、できることとできないことがあります。
- 音の種類によって、効果は変わります。メーカーも「音の種類によって得られる効果が異なります」と案内しています。車の走行音のような音でも、どの高さの音が中心かによって、聞こえ方の変化は違います。
- 数値は実験室での値です。メーカーが示す遮音性能は、JISで定められた方法により実験室で測った値で、実際の建物では音場(音の伝わる空間の状況)が違うため、測定値と差が出るとされています。
- 窓以外からも音は入ります。メーカーの説明にある効果は、窓(開口部)だけを評価したものです。壁・換気口・すき間など、窓以外から入る音は別に考える必要があります。
- 設置できない窓もあります。ガラスの種類・厚さや窓のタイプによっては、取り付けられない場合があります。
ですから、「窓を変えれば静かな暮らしが約束される」とは言えません。まず窓のすき間を確かめ、それでも気になる場合に、内窓を選択肢に入れるくらいの順番がおすすめです。
対策と、期待できること・限界の整理
| 対策 | できること | 限界・注意点 |
|---|---|---|
| 窓の閉まり具合の調整(建て付け・クレセント錠) | すき間が減り、防音の効果が高まる場合があります | 窓そのものの性能は変わりません |
| 内窓を付ける | 既存の窓との間の空気層が、外からの音を抑えます | 音の種類で効果が変わる。窓以外から入る音は残る。設置できない窓もある |
| 内窓のガラスを厚くする・厚さを変える | メーカーの説明では、防音の効果が高まります | ガラスの種類・厚さと窓のタイプによっては設置できない場合があります |
| Low-Eガラスにする | 断熱・遮熱には有効です | 防音の性能は上がらないと説明されています |
よくある質問
内窓を付ければ、車の音は聞こえなくなりますか
聞こえなくなるとは言えません。音を小さくする働きはありますが、効果は音の種類や家の状況で変わります。メーカーの数値も実験室での値で、実際の建物では差が出るとされています。
防音のためには、どんなガラスがよいですか
メーカーの説明では、ガラスは厚いほど、また既存の窓と内窓でガラスの厚さが違うほど、防音の効果が高まるとされています。断熱用のLow-Eガラスにしても、防音の性能は上がりません。詳しくは内窓のガラスの選び方で説明しています。
窓を閉めても音が気になるのは、窓が原因ですか
窓が原因のこともあれば、窓以外が原因のこともあります。窓のすき間、換気口、壁などから入る音もあるため、現地で状況を見ないと、窓がどれくらい関わっているかは判断できません。
次の一歩
内窓での防音の考え方は、防音のページにまとめています。また、内窓の防音効果の記事では、どんな場面で効果を感じやすいかをお話ししています。
お見積りは無料です。費用は窓の大きさ・数・ガラスの種類で変わるので、窓の写真を送っていただければお出しします。
まとめ:窓は大事な入り口。ただし限界も知ったうえで
道路の車やバイクの音は、窓から入る分を抑えることで、室内で感じる大きさが変わる場合があります。まずは窓の閉まり具合を確かめ、それでも気になるときに内窓を考える、という順番が無理のない進め方です。ただし、効果は音の種類や家の状況で変わり、窓以外から入る音は残ります。
窓の写真を送っていただければ、音の入り方や窓の状態を一緒に確かめます。LINEでのご相談、またはお問い合わせからお気軽にどうぞ。
関連する記事
この記事の出典
- 環境省「騒音に係る環境基準について」(道路に面する地域の基準値、幹線交通を担う道路に近接する空間の特例、屋内へ透過する騒音の基準)
- 環境省「道路に面する地域の環境基準」解説ページ(2026年10月に確認)
- LIXIL「インプラス」商品ページ・メリット(遮音効果)ページ(2026年10月に確認。試験条件の注記を含む)
- LIXIL お客様サポートFAQ「防音対策として有効な『インプラス』(内窓)のガラス種類(単板、合わせ、複層)」(2026年10月に確認)

