「内窓をつけると、電気代はどれくらい安くなるの?」と気になって調べても、「年に何万円」といった数字がいろいろ出てきて、どれを信じていいか迷いますよね。正直にお伝えすると、電気代がいくら変わるかは、お住まいの地域・家の造り・冷暖房の使い方で大きく変わるため、「必ずこれだけ下がる」とは言えません。

ただ、「窓は熱の出入りが大きい場所」というのは、国の資料にもはっきり書かれています。この記事では、環境省・国土交通省・経済産業省などの公開資料で確かめられたことだけを使って、内窓で冷暖房の負担がどう変わりうるのかを、やさしく整理します。

文:ガラパゴス内窓 編集部 / 更新日:2026年10月

先に結論:電気代は「約束」ではなく「冷暖房の負担を減らす見込み」で考える

  • 国の資料では、冬に暖房で温めた熱の約6割が窓などから逃げ、夏に冷房で冷やした部屋へ入ってくる熱の約7割が窓などから入ってくる、と紹介されています(図の条件つきの目安です)。
  • そのため、窓の断熱を高めることは、冷暖房の負担を減らす方法のひとつとされています。
  • ただし、電気代が実際にいくら下がるかは、住まい・地域・使い方しだいです。金額は約束できません。
  • 内窓だけで十分とは限りません。日差しが強い窓は、カーテンやブラインドなどの工夫もいっしょに考えると納得しやすくなります。

家の中の熱は、どこから出入りしているの?

環境省の資料では、住宅の熱の出入りの大半は窓などの開口部で起きている、と説明されています。さらに、日本の住宅の約67%は、二重サッシや複層ガラスがなく、単板ガラス(1枚だけのガラス)の窓だけでできている、という数字も示されています(令和5年住宅・土地統計調査をもとに環境省が作成)。

環境省が運営するサイトの記事では、「冬の暖房時の室内の熱の約6割が窓から逃げ、夏の冷房時に室外から入る熱の約7割が窓から入る」と紹介されています。この数字の出典は、日本建材・住宅設備産業協会の資料と書かれています。一方で、別の環境省のページでは「5〜7割」と幅をもたせた書き方もあり、家の条件によって数字は変わると考えておくのがよさそうです。

国の資料でわかること数字・内容気をつけたい点
冬に逃げる熱約6割が窓などの開口部から住宅の条件を決めた試算。家ごとに変わります
夏に入る熱約7割が窓などの開口部から同上。日差しの強さ・向きで変わります
窓の造り単板ガラスのみの住宅が約67%令和5年の統計をもとにした環境省の資料
二重サッシ・複層ガラスの普及全国の約4割の世帯にある(すべての窓は24.4%)令和5年度の調査。寒い地域ほど多い

内窓で、冷暖房の負担が変わるしくみ

内窓は、いまの窓の内側にもうひとつ窓をつけて、窓と窓のあいだに空気の層をつくる工事です。この空気の層が、外の暑さ・寒さを部屋に伝わりにくくします。国土交通省・経済産業省・環境省などが関わる「窓の性能表示制度」の案内でも、屋根や壁にくらべて窓やドアからは室内の熱が外へ逃げやすいため、断熱性能を高めることが大切で、冷房の効果を高めることにもつながる、と説明されています。

つまり、内窓の役目は「冷暖房を使わなくする」ことではなく、「つくった暖かさ・涼しさを逃がしにくくする」ことです。そのぶん、設定温度を無理に上げ下げしなくても過ごしやすくなったり、運転の力が少なくてすんだりする可能性があります。内窓の特長は内窓の効果のページ、季節ごとの考え方は冬の寒さ対策と夏の暑さ対策のページでも説明しています。

電気代は何円くらい変わる?数字を見るときの注意

インターネットには「年に何万円」という数字がいろいろ出ていますが、多くは試算の前提(地域・家の大きさ・電気の単価・冷暖房の使い方)がそろっていません。内窓だけで電気代がいくら下がるかを示す公的な数字は、今回調べた範囲では見つかりませんでした。数字を見るときは、前提条件が書かれているかを確かめてください。

この数字は、あくまで「こういう条件で計算するとこうなる」という例です。お住まいで同じ金額になると約束するものではありません。実際の金額は、次のような点で変わります。

  • 地域(寒い地域か、暑い地域か)
  • 家の造り(戸建て・マンション、建てた時期、壁や床の断熱)
  • 内窓をつける窓の数と場所(長く過ごす部屋かどうか)
  • 冷暖房を使う時間や、設定温度
  • 契約している電気料金のプラン

また、住宅では一般に、暖房に使うエネルギーのほうが冷房よりも多くなる、と窓の性能表示制度の案内に書かれています。そのため、寒さが気になるご家庭ほど、冬の暖房の負担に変化を感じやすい場合があります。

内窓だけでは足りないこともあります

正直にお伝えすると、次のようなときは、内窓だけで冷暖房の負担が大きく減るとは言いにくいです。

  • 電気代が高い原因が、冷暖房ではなく給湯や家電にある場合
  • 窓以外(壁・床・天井、すきま風)から熱が出入りしている場合
  • つけた窓が、ふだんあまり使わない部屋の窓だけの場合
  • 夏の強い日差しが主な悩みなのに、日差しをさえぎる工夫をしていない場合(内窓とカーテンの組み合わせもご参考ください)

ガラスの種類によっても、断熱を重視するか、日差しをさえぎることを重視するかが変わります。選び方は内窓のガラスの選び方で説明しています。

費用の考え方と補助金

お見積りは無料です。費用は窓の大きさ・数・ガラスの種類で変わるので、窓の写真を送っていただければお出しします。

環境省の資料によると、令和7年度補正予算の「断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業」では、内窓設置・外窓交換・ガラス交換などの窓の断熱改修が補助の対象とされ、補助額は工事の内容に応じた定額、窓の熱貫流率(Uw値)1.9以下などの要件があります。制度の受付状況や対象は変わることがあるため、最新の内容は補助金に関してのページでご確認ください。

よくある質問

内窓をつけたら、電気代はいくら安くなりますか

金額はお約束できません。地域・家の造り・窓の数・冷暖房の使い方で変わります。国の資料では、窓から熱が出入りする割合が大きいことは示されていますが、お住まいごとの電気代は、条件を確認しないと見込めません。

リビングだけにつけても意味がありますか

長く過ごす部屋の、大きな窓や、寒さ・暑さが気になる窓からつけるのは、ひとつの考え方です。ただ、効き方は部屋のつながりや家の造りでも変わります。どの窓を優先すると納得しやすいかは、窓の写真を見ながらご相談ください。

夏の冷房代にも効果がありますか

国の資料では、夏に入ってくる熱の約7割が窓などからとされており、断熱は冷房の効果を高めることにもつながると説明されています。ただ、夏は日差しの影響が大きいので、ガラスの種類やカーテン・ブラインドなどを合わせて考えると、より納得しやすくなります。

まとめ:電気代は「条件つきの見込み」。まずは窓の状況を見てみましょう

内窓は、窓から出入りする熱を減らして、冷暖房の負担を軽くする方法のひとつです。ただし、電気代がいくら変わるかは、地域・家の造り・使い方で変わるため、金額のお約束はできません。大切なのは、数字の前提を確かめたうえで、ご自宅の窓に合うかどうかを考えることです。

「うちの窓だと、どうなりそう?」と思ったら、窓の写真を送ってください。LINEでのご相談、またはお問い合わせからお気軽にどうぞ。

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この記事の出典

  • 環境省「断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業(経済産業省・国土交通省連携事業)」資料(令和7年度補正予算。2026年10月に確認)
  • 環境省 COOL CHOICE「ゼロカーボンアクション30 窓の断熱リフォームから、暮らしの脱炭素を始めよう」(2026年10月に確認)
  • 環境省 デコ活アクション「電気も省エネ 断熱住宅」(2026年10月に確認)
  • 環境省「令和5年度家庭部門のCO2排出実態統計調査」をもとにした環境省ページ「二重サッシ・複層ガラスの使用状況」(2026年10月に確認)
  • 国土交通省・経済産業省・環境省ほか「窓の性能表示制度」案内リーフレット(2026年10月に確認)

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