
内窓をつけたいけれど、「火事や地震のときに、窓が二重になって逃げにくくならないかな」と心配になる方は多いと思います。とくに、お子さまやご高齢のご家族がいるご家庭では、いざというときに窓を開けられるかどうかは大事なところです。
結論から言うと、内窓は「いつもの開け方を、家族みんなが知っているかどうか」が大切です。この記事では、国の機関(消防庁・内閣府防災)と東京消防庁の案内、LIXILの取扱い説明書で確かめられたことだけをまとめます。確かめられなかったことは、その旨を書いています。
文:ガラパゴス内窓 編集部 / 更新日:2026年10月
先に結論:避難のときに押さえたい4つのこと
- 地震のあとは、窓や戸を開けて出口を確保するよう、消防庁が案内しています。内窓がある窓は、内窓を開ける手順になります。
- LIXILの引違いタイプの内窓は、「補助ロックを上げる」「レバーを下げる」「引手で開ける」の3つの操作で開けられます(取扱い説明書より)。
- 内窓を「外す」操作は、ねじをゆるめる作業があり、1枚が重いものもあります。非常時のためのやり方としては案内されていません。
- 割れたガラスは避難のじゃまになります。靴をはく、飛散防止フィルムを使うなど、足元とガラスの備えも大切です。
地震のあと、窓はどうするのがよいか
消防庁の「地震防災マニュアル」では、あわてて動くと、倒れた家具や飛び散ったガラスの破片でケガをするおそれがあると注意しています。そのうえで、小さな揺れのとき、または揺れがおさまったあとに、窓や戸を開けて出口を確保するよう案内しています。
東京消防庁の広報紙(平成23年6月発行)でも、同じように「窓や戸を開け出口を確保」と案内しています。あわせて、屋内では倒れた家具やガラスの破片に注意すること、避難が必要なときはブレーカーを切り、ガスの元栓を閉めてから避難することも書かれています。
内閣府防災のページでも、ドアを開けて脱出路を確保し、懐中電灯などの明かりも用意するよう案内しています。内窓をつけた窓も、この「出口を確保する」流れの中で、まず開けられることが大切になります。
内窓の開け方を、家族で一度練習しておく
LIXILのインプラスの取扱い説明書には、窓の種類ごとの開け方が載っています。引違い窓と開き窓の場合は、次のとおりです。
| 窓の種類 | 開け方(LIXIL取扱い説明書より) |
|---|---|
| 引違い窓 | ①クレセントの補助ロックを上にスライドして解錠する ②クレセントのレバーを下にさげる ③引手に指をかけて障子を開ける |
| 開き窓・テラスドア | カムラッチハンドルを上にあげ、ハンドルを持って内へ引くと開く |
| FIX窓 | 開閉しない窓です(説明書に、開け方の記載はありません) |
説明書には、引手以外の場所を持って開け閉めすると、思わぬケガや事故につながるおそれがあるとも書かれています。あわてているときほど、引手を持つことを意識しておくとよいです。
ふだんから、ご家族みんなが開けられるかを確かめておくと安心です。とくに「補助ロックがついていることを知らなくて開かなかった」ということが起きやすいため、お子さまにも一度やってもらうのがおすすめです。開けにくいときの調整は、内窓が開けにくいときの対処で説明しています。
内窓を「外して逃げる」は考えないほうがよい理由
LIXILの説明書では、引違い窓の障子(ガラスの入った可動部分)を外すとき、まず「外れ止め」のねじをゆるめて動かす手順が書かれています。障子は1枚あたり最大で約60kgあり、外すときは対応する人数で行うよう注意書きがあります。
また、外れ止めは、障子が落ちて事故やケガにつながるのを防ぐための部品です。元の位置に戻さないと落下するおそれがあるとも書かれています。ですから、非常時に障子ごと外して出口にする使い方は、この説明書からは確かめられません。まずは、開けて出入りする方法を身につけておくのが現実的です。
ガラスと足元の備え
内閣府防災のページでは、割れたガラスは危険で避難のじゃまになるとして、次のような備えを挙げています。
- ガラスに飛散防止フィルムを貼る
- カーテンを閉めておくと、部屋の中へ飛び散るのを減らす効果がある
- ガラスや食器が割れても歩けるよう、寝室に靴などを置いておく
東京消防庁の広報紙には、東日本大震災のとき、外へ避難して割れたガラスを踏み、ケガをした方がいたことも書かれています。内窓を開けて出るときも、足元にガラスの破片がないかを見てから動くようにしましょう。
ガラスが割れてしまったときの対応は、内窓のガラスが割れたときの記事で、台風のときの注意は台風と内窓の記事で説明しています。
火事のときの避難と窓
消防庁の学習資料(火災からの避難)では、煙の中を逃げるときはできるだけ姿勢を低くし、ぬれタオルやハンカチで口をふさいで煙を吸い込まないようにするよう案内しています。また、非常口や避難経路を確認する習慣をつけることも勧めています。
なお、今回確かめた範囲では、火災のときに「内窓のついた窓」を避難口にしてよいか、どのくらいの時間で開けられるか、といった内容は、消防庁・東京消防庁の資料に見つけられませんでした。また、YKK APのウチリモ(プラマードU)の取扱い説明書も、中身を開いて確認できなかったため、この記事では取り上げていません。住まいの避難経路は、玄関や階段を第一に考え、窓はそれを補うものとして、ご家庭の状況に合わせてご確認ください。
お見積りは無料です。費用は窓の大きさ・数・ガラスの種類で変わるので、窓の写真を送っていただければお出しします。
よくある質問
内窓をつけると、避難のときに逃げ遅れますか
「逃げ遅れる」「遅れない」とは言い切れません。確かめられたのは、内窓も開けられること(引違いなら補助ロック・レバー・引手の3つの操作)までです。開け方を家族で練習しておくことが、いちばん現実的な備えです。
お子さまや高齢の家族でも開けられますか
窓の大きさや種類、ご本人の力によって変わります。ご相談のときに、実際に開けていただいて、動かしやすさを一緒に確かめることをおすすめします。開けにくいときは、戸車などの調整で軽くなる場合もあります(内窓が開けにくいとき)。
ガラスを割って逃げるための工夫はありますか
今回確かめた公的な資料には、ガラスを割って出る方法は載っていませんでした。割れたガラスは避難のじゃまになる、と内閣府防災は注意しています。まずは窓を開けて出られるようにしておくことと、足元の備えを大切にしてください。
まとめ:開け方を知っていて、足元も備えておく
消防庁も東京消防庁も、地震のあとは窓や戸を開けて出口を確保するよう案内しています。内窓も、ふだんの開け方を家族みんなが知っていれば、その流れの中で使えます。あわせて、割れたガラスと足元の備えをしておくと、いざというときの動きやすさにつながります。
お住まいの窓の種類や、ご家族の状況に合わせたご相談は、LINEでのご相談、またはお問い合わせからお気軽にどうぞ。
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この記事の出典
- 消防庁「地震防災マニュアル」揺れがおさまったら「1.身の安全の確保」(2026年10月に確認)
- 消防庁 防災危機管理eカレッジ「火災からの避難」(2026年10月に確認)
- 東京消防庁「広報とうきょう消防」第3号(平成23年6月26日発行、2026年10月に確認)
- 内閣府(防災担当)防災情報のページ「今日から始める私の防災のページ」(2026年10月に確認)
- LIXIL「インプラス・インプラス for Renovation 防音・断熱内窓 取扱い説明書(お施主さま用保存版)」(2026年10月に確認。メーカーの説明書の記載による)

