
「防犯ガラスにしたほうがいいと聞いたけれど、普通のガラスと何がちがうの?」「内窓をつけるなら、防犯ガラスも入れるべき?」と迷っていませんか。防犯ガラスは、2枚のガラスのあいだに丈夫な樹脂の膜(中間膜)をはさんだ「合わせガラス」の仲間です。
いちばん知りたいことを先にお伝えします。防犯ガラスは、割れにくいというより「割れても穴があきにくい」ガラスで、侵入に時間がかかるようにするためのものです。ただし、ガラスだけで防犯が完成するわけではありません。内窓と組み合わせるときは、「ガラス」「鍵」「窓の数」を一緒に考えるのが近道です。
文:ガラパゴス内窓 編集部 / 更新日:2026年10月
先に結論:防犯ガラスと内窓の考え方
- 防犯ガラスとは:ガラスの間に樹脂の中間膜をはさみ、破られにくくした合わせガラスです。割れても破片が飛び散りにくい性質があります。
- 自分でできること:窓の鍵を毎回かける、補助錠を使う、窓の外から見えにくくする、など。お金のかからない工夫から始められます。
- 窓が関わる場合の選択肢:内窓を付けて窓を二重にする方法があり、その内窓のガラスを防犯合わせガラスにする選び方もあります。
なお、どんなガラスにしても「侵入を完全に防ぐ」とは言えません。公的な資料でも、防犯性能の高い部品は侵入を完全に防ぐものではないと説明されています。
防犯ガラスと普通のガラスは何がちがう?
いちばんのちがいは、ガラスの間に入っている中間膜です。LIXILの案内では、防犯合わせ複層ガラスは、中間膜を厚く(30ミル以上)することで貫通しにくさを高めたもので、こじ破りや打ち破りに対して効果があるとされています。30ミルは約0.76mmの厚さです。割れても破片が飛び散りにくいため、地震や台風のときの安全面にも配慮された作りです。
YKK APの案内でも、安全合わせ複層ガラスは樹脂の中間膜をはさんで加熱・圧縮した構造で、複層ガラスより破られにくく、単板ガラス(1枚の板ガラス)よりはるかに防犯性能が優れるとされています。60ミル・90ミルの中間膜を使い、さらに防犯性を高めたタイプも用意されています。
呼び名はメーカーによってゆれがあります。LIXILの案内では「安全合わせ複層ガラス」と「防犯合わせ複層ガラス」を同じものとして扱っており、カタログでは「安全合わせ」と書かれていることもあります。見積書やカタログを見るときは、名前より中間膜の厚さを確かめると分かりやすくなります。
一点だけ注意があります。LIXILの案内では、網入りガラスと格子入りガラスには防犯性がないと明記されています。「網が入っているから丈夫そう」とは考えないほうが安全です。
「CPマーク」は何を表している?
防犯の部品を選ぶとき、目安になるのが「CPマーク」です。警察庁・国土交通省・経済産業省と建物部品の業界団体が集まる官民合同会議が、2002年に設置されました。この会議が、防犯性能が確かめられた建物部品を「防犯性能の高い建物部品目録」としてまとめ、公表しています。国土交通省の発表資料でも、ドア・錠・サッシ・ガラス・ウィンドウフィルムなどが対象になっていると確認できます。
静岡県警察のページによると、試験で「侵入までに5分以上かかる」ことが確認されたものが、この目録に載るCP部品です。同じページでは、民間の調査で「2分を超えて5分以内なら侵入をあきらめる」と答えた被疑者が51.4%だったという数字も紹介されています。「5分」はこうした考え方から決められた目安です。
「防犯ガラス」と書かれていても、すべてがCP部品とは限りません。CP部品かどうかは、目録に載っているか、CPマークがあるかで確かめます。内窓のガラスをCP仕様にできるかは、製品・窓の種類・ガラスの組み合わせで変わるので、見積りの段階で確認するのが確実です。
内窓と防犯ガラスの組み合わせ方
内窓を付けると、今ある窓の内側にもう1枚窓ができ、窓が二重になります。そのぶん、窓から入ろうとする人にとって越えるものが増えます。そのうえで、内窓のガラスを防犯合わせにするかどうかは、次のように考えると整理しやすくなります。
| 状況 | 考え方 |
|---|---|
| 道路や人目の少ない側に面した窓、1階の窓 | 内窓のガラスを防犯合わせにする選択肢を検討する価値があります。 |
| 2階以上で、ベランダなど足場がない窓 | 防犯だけを理由に高いガラスにする必要は小さいかもしれません。断熱や防音など、ほかの悩みを基準に選ぶ方法もあります。 |
| 今の窓が1枚ガラス(単板) | YKK APの案内では、単板ガラスは1枚の板ガラスより合わせガラスのほうが防犯性能が優れるとされています。内窓で二重にする方法と、ガラスを替える方法を比べます。 |
| 今の窓が網入り・格子入りガラス | それ自体には防犯性がないとされています。内窓側で対策する意味があります。 |
| お子さんやご高齢の方がいて、窓を開ける機会が多い | ガラスより、鍵のかけやすさや補助錠を優先して考えます。 |
ここでのポイントは、鍵です。YKK APのコラムでは、手軽に付けられるタイプの内窓には錠が付いていない場合があり、その場合は鍵をかけない窓と同じ扱いになることがあると注意しています。内窓を選ぶときは、ガラスと同じくらい「鍵がしっかりかかるか」を確かめてください。
防犯ガラスにしても、できないこと・向かない場合
- 「入られなくなる」とは言えません。時間がかかる、あきらめにくくなる、という考え方です。
- 鍵をかけ忘れた窓は、ガラスの性能が生かされません。
- 窓だけでは足りません。玄関や勝手口など、ほかの出入り口の鍵も見直す必要があります。
- 窓の奥行きなど、窓の状態によっては内窓そのものが付けられない場合もあります。
- ガラスを厚く丈夫にすると、重さが増えます。窓の大きさによっては、開け閉めの軽さも確認が必要です。
空き巣そのものの傾向や、家でできる備えについては、空き巣と窓についての記事で整理しています。この記事では、ガラスと内窓の組み合わせに話をしぼりました。
お見積りは無料です。費用は窓の大きさ・数・ガラスの種類で変わるので、窓の写真を送っていただければお出しします。
よくある質問
防犯ガラスは、割れないガラスですか
いいえ、ひびが入ることはあります。中間膜があるため、割れても穴があきにくく、破片が飛び散りにくい作りです。「割れない」のではなく「破られにくい」ものと考えてください。
内窓を付けるだけでも、防犯に意味はありますか
窓が二重になるので、入るまでの手間が増える考え方はできます。ただし、鍵のかかる内窓かどうか、内窓のガラスの種類で防犯への効き方は変わります。防犯を重視するなら、ガラスの種類と鍵を見積りの時点で確認してください。
防犯ガラスにすると、断熱や防音も上がりますか
メーカーの案内では、防犯合わせガラスは割れても飛び散りにくく、紫外線もほぼ100%カットすると説明されています。ただし、断熱や防音の程度はガラスの組み合わせで変わるため、数字はメーカーの試験条件での値を製品ごとに確認する必要があります。
まとめ:ガラス・鍵・窓の数を一緒に考える
防犯ガラスは、中間膜で破られにくくした合わせガラスです。CPマークは、侵入に5分以上かかることが確かめられた部品の目安になります。内窓と組み合わせるときは、ガラスだけでなく、鍵と窓の状況をあわせて選ぶのが現実的です。
次の一歩
内窓での防犯の考え方をもう少し知りたい方は、内窓の防犯についてのページをご覧ください。ガラスの種類を比べたいときは、内窓のガラスの選び方もあわせてどうぞ。
窓の写真を送っていただければ、どの窓にどのガラスが合うか、いっしょに考えます。LINEでのご相談、またはお問い合わせからお気軽にどうぞ。
関連する記事
この記事の出典
- LIXILお客様サポート「防犯合わせ複層ガラスと一般の合わせ複層ガラスの違い」「内窓インプラスで選べるガラスの種類」(2026年10月に確認)
- YKK AP「安全合わせ複層ガラス/防災安全合わせ複層ガラス」、よくあるお問い合せ「安全合わせ複層ガラスが、防犯性に優れている理由を教えてください」(2026年10月に確認)
- YKK AP「窓が危ない!?ガラス破りの実態とリフォームでできる防犯対策」(2026年10月に確認)
- 国土交通省 報道発表資料「防犯性能の高い建物部品」(官民合同会議・目録・CPマーク)
- 静岡県警察「侵入犯罪の防犯対策」(CP部品・5分の考え方・民間調査の数字)

