窓をしっかり閉めているのに、春になると窓ぎわの床がざらざらする。サッシの溝に、細かい砂がたまっている。ニュースで「黄砂が飛来」と聞いた日は、なんだか部屋の空気までかすんで見える。窓は閉まっているのに、いったいどこから入ってくるのだろう、と思ったことはありませんか。

先に答えると、窓は「完全な密閉」ではないので、すき間から少しずつ入ることがあります。ただ、入り口は窓だけではありません。この記事では、黄砂・PM2.5・ほこりが入ってくる道すじを整理して、国の資料で確かめた過ごし方と、内窓でできること・できないことを、正直にお伝えします。

文:ガラパゴス内窓 編集部 / 更新日:2026年10月

先に結論:入り口は「窓のすき間」だけではありません

  • 原因:窓は、枠と戸の間をパッキンなどでふさいでいますが、完全には密閉されていません。風の強い日や換気扇を回したときは、室内外の気圧に差ができて、すき間から砂が入ることがある、とYKK APが説明しています。換気口(給気口)や、人の出入りも入り口になります。
  • 自分でできること:注意が必要な日は窓の開け閉めを最小限にして、床や窓ぎわを拭き掃除で取り除く。飛来情報を見て、出かける・干すタイミングを決める。
  • 窓が関わる場合:窓のすき間が大きいと感じるなら、戸車やパッキンの調整、内窓という選択肢があります。ただし「ほこりが入らなくなる」とは言えません。

黄砂・PM2.5・ほこりは、それぞれどんなもの?

三つは別々のものに見えて、重なるところがあります。環境省の資料では、PM2.5は「大気中に浮遊する直径2.5マイクロメートル以下の微小な粒子」とされています。黄砂は、中国大陸などの砂漠や黄土高原で強い風に巻き上げられた砂じんが、風に乗って飛んでくる現象です。環境省は、黄砂のうち粒の小さいものはPM2.5にふくまれるので、黄砂が飛んでくるとPM2.5の濃度も上がる、と説明しています。

黄砂が飛んでくる時期について、環境省は、夏を除いて一年じゅう日本に飛来するが、2月ごろから増え始め、3月から5月にピークになる、としています。日本では、濃度が下がった状態で届くことが多いため、車や洗濯物の汚れへの注意が中心になることがほとんど、とも書かれています。一方、ふだんのほこりは、衣類や土ぼこりなど、家の中と外のさまざまなものが混ざっています。

入ってくる道すじ:窓・換気口・出入り口

窓のすき間については、YKK APのよくある質問に、こう書かれています。窓は気密性を高めるためパッキンなどでふさいでいるものの、完全に密閉した構造ではない。風が強い日や換気扇を使ったときは、室内外で気圧の差が生じて、枠と戸の気密材が触れる部分から、空気といっしょに砂が入ることがある。細かい砂が風で巻き上げられやすい関東ローム層の地域では、特に入りやすい傾向がある、という内容です。砂の侵入は製品の特性上、避けにくい面があり、戸車の高さ調整などで軽くできる場合がある、ともされています。

換気口はどうでしょうか。国土交通省は、居室のあるすべての建築物に、機械換気設備(いわゆる24時間換気)の設置が原則として義務づけられていると説明しています。外の空気を取り入れるための給気口は、その仕組みの一部です。世田谷区の案内では、24時間換気は最低限の換気を確保するしくみなのでスイッチは切らないこと、壁の給気口はほこりでフィルターがつまらないよう定期的な掃除が必要なこと、とされています。給気口は空気の通り道なので、外の空気がまったく入らないわけではありません。ここは窓の工事では変わらない部分です。

そのほか、玄関のドアを開けたとき、服や髪、ペットの毛、洗濯物に付いてくるものも、入り口になります。つまり、窓のすき間を小さくするだけでは、ぜんぶは減らせません。

国の資料にある、注意が必要な日の過ごし方

環境省は、PM2.5の濃度が高い日の対策として、屋内では換気や窓の開閉を最小限にして、できるだけ外の空気を入れないようにし、部屋の広さに合ったPM2.5対応の空気清浄機を運転すること、空気清浄機のフィルターは定期的に掃除・交換することをあげています。外出や屋外での運動をひかえることも案内されています。注意喚起の目安は、1日の平均値が70マイクログラム毎立方メートルを超えると予想される場合、とされています(国の暫定的な指針)。

黄砂については、環境省が、不要不急の外出をひかえること、外出するときは不織布マスクなどの一般用マスクを着けることで、吸い込む量を減らすことが期待できる、と案内しています。黄砂や微小粒子と健康の関係には、まだ分かっていないことも多いとされており、この記事では「これで健康になる」といったことは言いません。

なお、24時間換気を止めるかどうかは、お住まいの設備によって違います。環境省の案内は「換気を必要最小限に」であり、止め方まで細かく決めているわけではありません。迷うときは、取扱説明書や、建てた会社・施工店に聞いてください。

家の中でできること:入ったものを「取り除く」

入ってくるものをゼロにするのは難しいので、入った後の置き場所と取り除き方を決めておくと、気持ちが楽になります。お金のかからない順に、次のようなことが考えられます。

  1. 飛来情報(環境省・気象庁の黄砂情報)を見て、多そうな日は窓を開ける回数と幅を減らす。洗濯物は室内干しにする。
  2. 床や窓ぎわは、ほうきで掃くより、固く絞った布で拭いたり、掃除機で吸ったりして、舞い上げないようにする(これは編集部の一般的なおすすめで、公的な資料に手順があるわけではありません)。
  3. サッシの溝は、乾いたうちに砂を取ってから、水拭きをする。掃除の順番は、内窓の掃除の記事も参考にしてください。
  4. 給気口のフィルターは、取扱説明書にそって、定期的に掃除する。

窓でできること/できないこと

YKK APは、気密性を「サッシの枠と戸のすき間から、どれくらい空気がもれるかを表す性能」と説明し、冷暖房の熱の損失を減らす、騒音の侵入を防ぐ、砂やほこりの侵入を抑えるために、気密性の高いサッシが求められている、としています。内窓は、今の窓の内側にもうひとつ窓を付ける工事です。すき間の通り道が二重になるので、メーカーの案内では、気密性の面でも役立つことがあるとされています。

ただし、これは「メーカーが示す性能の考え方」であって、お住まいで黄砂やほこりが何割減る、という数字をお約束するものではありません。次のような限りがあります。

  • 窓を開ければ、黄砂もほこりも入ります。
  • 給気口や換気扇まわり、玄関、服や髪から入るものには、内窓は関わりません。
  • 内窓を付けると、窓の数が増えるぶん、拭く場所も増えます。
  • 既存の窓のすき間が、戸車のずれやパッキンの傷みで広がっている場合は、まずそこを調整するほうが先のことがあります。

表:入り口×できること

入り口自分でできること内窓との関係
窓を開けたとき多い日は開ける回数・幅を減らす。室内干しにする開ければ入るので、内窓でも変わらない
閉めた窓のすき間戸車・クレセントの調整、サッシの溝の掃除すき間を通る道すじが二重になる。効果の大きさは窓の状態による
換気口(給気口)フィルターの掃除。注意喚起の日の使い方は取扱説明書で確認関わらない
玄関・服・髪出入りのときに払う、玄関で上着を脱ぐ関わらない
入ってしまった粒拭き掃除、掃除機、PM2.5対応の空気清浄機関わらない

次の一歩

窓まわりに砂やほこりがたまるのは、すき間のせいなのか、見分けにくいですよね。調整で直せるかはすきま風と窓の関係の記事が、内窓の性能の考え方は性能のページが、読み進める入口になります。お見積りの考え方は内窓の見積りと費用の記事にまとめています。

お見積りは無料です。費用は窓の大きさ・数・ガラスの種類で変わるので、窓の写真を送っていただければお出しします。LINEでのご相談、またはお問い合わせからお気軽にどうぞ。

よくある質問

窓を閉めていれば、黄砂は入りませんか

入りにくくはなりますが、ゼロにはなりません。YKK APは、窓は完全に密閉した構造ではなく、風の強い日や換気扇の使用時に、気密材の接する部分から砂が入ることがある、と説明しています。

24時間換気は、黄砂の日は止めたほうがいいですか

一概には言えません。環境省は注意喚起の日に「換気を必要最小限に」と案内していますが、24時間換気は最低限の換気を確保するしくみで、スイッチは切らないよう案内する自治体もあります。住まいの設備によって違うので、取扱説明書や、建てた会社・施工店に聞いてください。

内窓を付ければ、PM2.5は入らなくなりますか

入らなくなるとは言えません。内窓はすき間を通る道すじを二重にして、気密性の面で役立つことがありますが、換気口や出入りから入るものには関わりません。PM2.5の対策は、環境省の案内にある空気清浄機の運転や、飛来情報の確認とあわせて考えてください。

まとめ:入り口を知って、できることから

黄砂・PM2.5・ほこりは、窓を開けたとき、閉めた窓のすき間、換気口、出入りの四つの道から入ります。まず日々の過ごし方と拭き掃除で十分なことも多く、窓のすき間が気になるなら、調整や内窓を考える順番で大丈夫です。内窓は入り口の一つを小さくするもので、全部を止めるものではありません。

関連する記事

この記事の出典

  • 環境省「微小粒子状物質(PM2.5)に関する情報」(2026年10月に確認)
  • 環境省「黄砂の飛来とその影響」「黄砂対策」ページ(2026年10月に確認)
  • YKK AP「気密性」技術解説、よくあるお問い合せ「窓の下枠に細かな砂が侵入し堆積しています」(2026年10月に確認)
  • 国土交通省「建築基準法に基づくシックハウス対策について」(2026年10月に確認)
  • 世田谷区「快適な住まいと換気」(24時間換気の案内)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です