
朝、窓を開けようとしたら、サッシのみぞに黒っぽいほこりがたまっている。レースのカーテンの裾が、いつのまにかうす灰色になっている。道路に面した家にお住まいの方なら、一度は感じたことがあるのではないでしょうか。
いちばん知りたいことを先にお答えします。窓まわりの汚れは、道路の近さだけで決まるわけではなく、土ぼこりや砂、花粉など、いろいろなものが混ざっています。そのため「これさえすれば汚れなくなる」という方法はありません。ただ、こまめな拭き取りと、掃除のやり方を少し変えるだけで、ずいぶん楽にはなります。
文:ガラパゴス内窓 編集部 / 更新日:2026年10月
先に結論:汚れの原因・今日できること・窓で変えられること
- 原因:空気中には、自動車などから出る細かい粒子や、土ぼこり・砂などがただよっています。道路沿いでは、それが窓やサッシに付きやすい場所になります。
- 自分でできること:乾いた状態でほこりと砂を先に取り、そのあと水ぶきと中性洗剤でふく。この順番を守るだけで、傷つきにくく、きれいになります。
- 窓が関わる場合の選択肢:外の窓の内側に内窓を付けると、掃除する面や、すき間から入るほこりの状況が変わります。ただし、汚れが「なくなる」ものではありません。
道路沿いの窓が汚れやすい理由
環境省は、空気中にただよう小さな粒子を「浮遊粒子状物質(SPM)」と「微小粒子状物質(PM2.5)」に分けて測っています。SPMは大きさが10マイクロメートル(1マイクロメートルは1ミリの千分の1)以下、PM2.5は2.5マイクロメートル以下の粒子です。PM2.5は髪の毛の太さの30分の1ほどとされています。
これらの発生源には、工場やボイラーなどのほかに、自動車・船・飛行機といった「動く発生源」も含まれます。つまり、車の排気ガスも、粒子の発生源のひとつです。一方で、土や海、火山などの自然のものもあります。環境省は、排出ガスの規制などによって、SPMとPM2.5の年間の平均的な濃度は減ってきている、と説明しています。
最新の環境白書(令和6年版)では、2022年度の環境基準の達成率は、PM2.5が一般の測定局で99.9%、自動車の排出ガスを測る測定局で100%、SPMはどちらも100%と示されています。ただ、これは空気中の濃度についての数字です。窓に付く汚れの量とは別の話で、「基準を満たしているから窓は汚れない」とも「道路沿いだから必ず汚れる」とも言えません。
また、環境省は、空気中にただよう粒子のほかに、地面に降ってくる「降下ばいじん」も測っています。窓まわりの汚れの中身は、場所によって変わり、車の排気ガスのすすだけでなく、土ぼこりや砂、花粉も混ざっています。どれがどのくらいかは、家ごとに違うため、一概には言えません。
まず自分でできる、窓まわりの掃除の順番
お金をかけずにできることから書きます。内窓メーカーの取扱説明書で共通しているのは、「いきなり水をかけたり、こすったりしない」ことです。LIXIL(インプラス)の取扱説明書では、次の順番がすすめられています。
- 表面についた砂やほこりを、ていねいに取り除く。すみは歯ブラシを使うと便利です。
- 水でぬらしたぞうきんで、全体の汚れをふき取る。汚れがひどいときは、中性洗剤(またはアルカリ性洗剤)をうすめた液で落とし、そのあと洗剤が残らないように水洗いする。
- 最後に、かたく絞ったぞうきんで、水分をしっかりふき取る。
洗剤がサッシに付いたまま放置されると、しみの原因になることがある、とも書かれています。洗剤は残さないことが大切です。
とくに道路沿いでは、砂まじりのほこりが多くなります。内窓の枠やレールは樹脂(プラスチックの仲間)でできている製品が多く、アルミより傷つきやすい性質があります。インプラスの取扱説明書は、レールにたまった砂やゴミをそのままにして使い続けると傷の原因になるので、なるべくこまめなお手入れをすすめています。プラスト(大信工業)の取扱説明書も、砂などの硬いものによるキズやすれは、樹脂の特性として起こり得る、と書いています。
使ってはいけないもの
汚れが落ちないからと、強い洗剤や硬い道具を使うのは避けてください。メーカーの説明書には、次のようなことが書かれています。
- 布やスポンジなど、やわらかいものを使う。金属ブラシや金べらは使わない(インプラス)。
- ベンジン・シンナーなどの有機溶剤は使わない(インプラス、プラストとも)。
- 塩素系の薬品(漂白剤・カビ取り剤など)が付いたまま放置すると、表面が変化することがある。付いたら、すみやかに洗い落とす(インプラス)。
- 市販の中性洗剤で、きれいにふき取る(プラスト)。
ウチリモ(YKK AP)をお使いの場合は、今回、メーカーの説明書の本文を私たちが確認できなかったため、ここでは書きません。お手元の取扱説明書(使い方&お手入れガイドブック)でご確認ください。
障子(動く窓)は外せる? ただし無理はしないでください
プラストの取扱説明書では、障子は基本的に外さない前提としつつ、掃除などで外す必要があるときの手順が書かれています。ただし障子は重く、取り外しには危険がともなうため、無理はせず、販売店か施工店に相談するよう書かれています。外せるかどうかは製品によって違うので、ご自分で判断せず、説明書でご確認ください。
窓でできること/できないこと
内窓は、いまある窓の内側に、もうひとつ窓を付けるものです。外の窓と内窓の間に空気の層ができ、音や熱の出入りが小さくなります。汚れについては、すき間から入る空気の量が減る分、室内側のほこりの入り方が変わることは考えられますが、どのくらい減るかを示せる公の数字は、私たちには確かめられませんでした。「汚れなくなる」とはお約束できません。
一方で、外側の窓は、そのまま外にさらされ続けます。外窓の外側の汚れは、これまでどおり掃除が必要です。内窓を付けると、内側のガラスや枠も「掃除する面」として増えるため、手入れの手間が増えると感じる方もいます。掃除のしやすさについては、内窓の掃除の記事にくわしく書いています。
また、道路沿いのお宅では、汚れより「音」のほうが気になっているという方も少なくありません。車の音が悩みの場合は、車の音の記事もあわせてご覧ください。
表:場所ごとの汚れ方と手入れの目安
| 場所 | 汚れの特徴 | 手入れの考え方 |
|---|---|---|
| サッシのレール・みぞ | 砂やほこりがたまりやすい | 乾いたうちに取り除く。歯ブラシが便利。樹脂は傷つきやすいので、砂を放置しない |
| ガラス | うすい膜のような汚れ | 水ぶき→かたく絞ったぞうきんで水分をふき取る。金属のたわしは使わない |
| 枠の表面(樹脂) | うっすらとした灰色の汚れ | 中性洗剤をうすめてふき、洗剤を残さない。有機溶剤は使わない |
| 外窓と内窓の間 | ほこりがたまる | 障子の外し方は製品で違う。無理せず説明書か販売店で確認する |
よくある質問
どれくらいの間隔で掃除すればよいですか
メーカーの説明書には「なるべくこまめに」とあるだけで、何日おき・何か月おきという決まりは書かれていません。道路沿いで砂が目立つ場合は、気づいたときに、乾いたうちにレールのほこりを取るだけでも違います。
汚れが落ちないときは、強い洗剤を使ってもいいですか
おすすめしません。有機溶剤や酸性・塩素系の薬品は、樹脂の表面を傷めるおそれがあると、メーカーが注意しています。落ちない汚れや傷について、インプラスの説明書は、自動車用ワックスで磨いて取れる場合がある、と書いています。それでも気になる場合は、販売店か施工店にご相談ください。
窓を開けないほうが、汚れは少なくなりますか
窓を開けている時間が長いほど、外の空気や砂が入りやすくなるのは一般的な話ですが、具体的な効果を示す公の数字は確かめられませんでした。ただし、換気は結露やにおいの面でも大切なので、閉めきることはおすすめしません。短い時間でしっかり換気する、という考え方もあります(内窓と換気の記事)。
まとめ:まずは「乾いたうちに取る」から
道路沿いの窓の汚れは、車の排気ガスだけでなく、砂や土ぼこりなどが混ざったものです。掃除は「乾いた状態でほこり・砂を取る→水ぶき→必要なら中性洗剤→水分をふき取る」の順で、金属のたわしや有機溶剤は使わない。これだけでも、傷や変色を防ぎながらきれいに保てます。
そのうえで、汚れだけでなく車の音も気になる場合は、内窓が選択肢のひとつになります。防音のページで、音がどのくらい変わるのかの考え方を、内窓の掃除の記事で、内窓を付けたあとの手入れの実際を説明しています。
お見積りは無料です。費用は窓の大きさ・数・ガラスの種類で変わるので、窓の写真を送っていただければお出しします。LINEでのご相談、またはお問い合わせからお気軽にどうぞ。
関連する記事
この記事の出典
- LIXIL「防音・断熱内窓 インプラス 取扱説明書(MAL-78P)」第5章「お手入れ方法について」(2026年10月に確認)
- 大信工業「内窓プラストシリーズ 取扱説明書」(2025年7月版・「お手入れについて」「樹脂材質について」)(2026年10月に確認)
- 環境省「微小粒子状物質(PM2.5)に関する情報」(2026年10月に確認)
- 環境省「令和6年版 環境・循環型社会・生物多様性白書」第2部第4章第7節 大気環境の保全(2026年10月に確認)
- 環境省「環境白書(平成9年度)」大都市圏等における集積による問題(降下ばいじんの測定について、2026年10月に確認)

