
「まずは安く済ませたい」と思って、断熱シートやプチプチ、窓フィルム、厚手のカーテンを調べている方は多いと思います。結論から言うと、窓のお悩みが軽いなら、費用をかけない方法で足りることもあります。一方で、窓ごとに向き不向きがあり、貼ってはいけないガラスもあります。
私たちは内窓の専門店ですが、内窓がいつも一番とは考えていません。この記事では、それぞれの方法でできること・できないことを、メーカーの公式資料で確かめた範囲でお伝えします。そのうえで、内窓が向いている窓はどんな窓かを正直に書きます。
文:ガラパゴス内窓 編集部 / 更新日:2026年10月
先に結論:安く試せる場合と、内窓が向いている場合
- 安く試す方法で足りやすいのは、「日差しをやわらげたい」「カーテンやフィルムで少し楽になればよい」といった、軽いお悩みの窓です。
- ただし、窓フィルムやシートは、ガラスの種類によっては貼らないほうがよい場合があります(熱割れ。くわしくは下で説明します)。
- 内窓が向いているのは、「冬の寒さ・結露・音の悩みをきちんと減らしたい窓」「毎日長く過ごす部屋の窓」「網入りガラスなどフィルムを貼りにくい窓」です。
- 国の補助金(先進的窓リノベ事業)は、内窓の設置やガラス交換が対象の工事に入っています。窓フィルムやカーテンは、公式サイトの対象工事の一覧には入っていません。
断熱シート・プチプチ・窓フィルム・カーテンで、どこまでできる?
まず、費用をかけない・かけにくい方法から見ていきます。
カーテン:断熱には役立つが、結露には気をつけたい
LIXILは、カーテンや紙の障子について「断熱には有効ですが、水蒸気が通り抜けてしまう」と説明しています。そのため、閉めきったままにすると、窓ガラスの室内側の温度が下がり、かえって結露しやすくなることがあるそうです。こまめに開けて、空気を通すことが大切です。
断熱シート・プチプチ:手軽だが、見た目とひび割れに注意
ホームセンターなどで手に入る断熱シートや、緩衝材(プチプチ)を窓に貼る方法は、とても手軽です。ただし、LIXILのお客様向けの記事では、窓用の断熱フィルムを貼るとガラスの温度差が大きくなってひびが入ることがあること、プチプチなどの緩衝材を貼る方法にも見た目やひび割れの面で問題があることが書かれています。特に、網入りガラスや古いサッシでは注意が必要とされています。
窓フィルム:効果はあるが、貼れるかどうかを先に確かめる
窓フィルムの代表的なメーカーである3Mの住宅用の案内を見ると、遮熱フィルム「NANO80S」を貼った場合、窓から入る日射の熱の割合を示す「日射熱取得率」は、透明なフロートガラス(3mm厚)で0.88、フィルムを貼ると0.57と示されています。これは3Mの試験条件(JIS A 5759:2016に基づく測定)での値で、お住まいの窓でそのまま同じになるわけではありません。
同じ案内には、日射が当たるガラスにフィルムを貼ると、ガラスの日射吸収率が高まり「熱割れ」が起きる場合があるため、使う前にガラスで熱割れが起きる可能性がないかを必ず確認するよう書かれています。また、3Mの2026年の事例資料では、網入りガラスや複層ガラスは熱割れのリスクが高く、施工前に3Mの熱割れ計算をして、安全に貼れるフィルムを選んだと紹介されています。
一方、LIXILは、窓や玄関のガラスにフィルムシートを貼らないようお願いしています。理由は、日射でガラスに熱がたまりやすくなり、熱割れのおそれが高まるためです。サッシメーカーとフィルムメーカーでは考え方が違うので、自己判断で貼らず、お使いのサッシのメーカーや施工店に先に確認するのが安全です。
熱割れって何?貼れないガラスはある?
熱割れとは、日が当たって温まったガラスの中央と、サッシにおおわれて温まりにくい端の温度差で、ガラスが割れてしまう現象です。LIXILは、網入りガラスはワイヤーとガラスの膨らみ方が違うため、特に起きやすいとしています。また、ガラスにフィルムや紙を貼ると日射を吸いやすくなるため、貼らないよう案内しています。
つまり「貼れないガラス」は、種類だけで一律には決まりません。ガラスの種類(網入り・複層・Low-Eなど)、大きさ、向き、フィルムの種類で変わります。迷ったら、貼る前にメーカーへ確認してください。内窓でも、ガラスの組み合わせによって注意が必要な場合があります。くわしくは、内窓と熱割れの記事と内窓のガラスの選び方で説明しています。
方法ごとの特徴を比べてみます
| 方法 | 向いている悩み | 注意したいこと | 国の補助金 |
|---|---|---|---|
| 厚手カーテン | 寒さをやわらげたい | 閉めきると結露しやすくなることがある | 対象工事の一覧に入っていない |
| 断熱シート・プチプチ | とにかく安く試したい | 見た目やひび割れの面で問題が指摘されている | 対象工事の一覧に入っていない |
| 窓フィルム | 夏の日差し・日焼け・飛散防止 | 熱割れの確認が必要。メーカーによって貼ることへの考え方が違う | 対象工事の一覧に入っていない |
| 内窓の設置 | 寒さ・結露・暑さ・音を、窓そのもので減らしたい | 窓の奥行きなどによって取り付けられない場合がある | 対象(内窓設置) |
| ガラス交換(複層ガラスなど) | 今の窓枠を生かしてガラスだけ替えたい | サッシの枠の性能は変わらない | 対象(ガラス交換) |
この表の「国の補助金」の欄は、先進的窓リノベ2026事業の公式サイトに載っている対象工事(ガラス交換・内窓設置・外窓交換・ドア交換)をもとにしています。フィルムやカーテンが載っていないことは確認しましたが、個別の取り扱いは事務局の案内でご確認ください。
結露と寒さには、どの方法が向いている?
YKK APは、窓の結露について、暖かく湿った空気が冷えた窓で冷やされて水滴になる現象と説明しています。対策としては、ガラスを二重にした複層ガラスにすることや、内窓をつけて二重窓にすることで、熱を伝えにくい空気の層をつくり、室内側の結露を減らせるとしています。LIXILも、結露対策として、複層ガラスへの交換、断熱サッシ、内窓(インプラス)を挙げています。あわせて、換気や湿気を減らすことも大切だとされています。
なお、窓から家の中の熱がどれくらい出入りするかについて、YKK APは、アルミ枠の複層ガラスの窓の家(東京・2階建て・延べ約120㎡のモデル住宅)で、冬は約50%、夏は約68%と、自社のシミュレーションで算出しています。条件つきの数字ですが、窓が家の熱の大きな出入り口になる、という目安にはなります。
内窓が向いている窓、そうでもない窓
内窓が向いているのは、次のような窓です。
- 冬の寒さや結露に毎年困っている、毎日長く過ごす部屋の窓
- 網入りガラスなど、フィルムを貼ってよいか迷う窓
- 寒さだけでなく、外の音も気になる窓(内窓の防音の記事)
- 補助金を使って、まとめて窓を直したい家
反対に、次のような場合は、費用をかけない方法で十分なことがあります。
- ほとんど使わない部屋や、物置の窓
- 悩みが「夏の日焼け」や「まぶしさ」だけの窓
- 賃貸で、工事ができないお住まい(その場合は、賃貸でも設置できるかを先に確認してください)
内窓には、窓の開け閉めが二度手間になるなどの弱みもあります(内窓のデメリットの記事)。カーテンをこまめに開ける、フィルムをメーカーに確認して貼る、といった方法で満足される方もいらっしゃいます。
補助金は内窓が対象になる制度があります
先進的窓リノベ2026事業では、内窓の設置とガラス交換が対象工事に入っています。内窓設置は、既存の窓の室内側50cm以内に、平行に取り付けるものなどの条件があります。1戸あたりの補助の上限は100万円で、補助額が5万円以上であることなどの条件もあります。条件や期限は変わることがあるので、詳しくは補助金の申請の流れをご覧ください。
お見積りは無料です。費用は窓の大きさ・数・ガラスの種類で変わるので、窓の写真を送っていただければお出しします。
よくある質問
網入りガラスの窓に、断熱シートやフィルムを貼ってもいいですか
網入りガラスは熱割れが起きやすいガラスとされています。LIXILはフィルムシートを貼らないようお願いしており、3Mは事前に熱割れの確認や計算をするよう案内しています。自己判断で貼らず、お使いのサッシのメーカーか施工店に先に確認してください。
まずフィルムを貼って、あとから内窓をつけることはできますか
フィルムの貼ってあるガラスに内窓をつける場合は、熱の条件が変わることがあります。ご自宅の窓の状態を見てから判断しますので、現状のお写真と一緒にご相談ください。
カーテンを厚手にするだけでも、結露は減りますか
LIXILは、カーテンは断熱には有効でも水蒸気が通り抜けるため、閉めたままにすると窓の室内側が冷えて結露しやすくなると説明しています。こまめに開ける、換気をするなど、湿気をためない工夫と合わせるのがおすすめです。
まとめ:お悩みの重さと、窓の種類で選ぶ
カーテン・シート・フィルムは、手軽に試せるのが強みです。ただし、フィルムやシートは熱割れに注意が必要で、メーカーによって考え方も分かれます。寒さや結露をしっかり減らしたい窓や、貼ってよいか迷う窓には、内窓が向いています。どの方法がお宅の窓に合うかは、窓の写真を見ればお話しできます。
窓の写真を送っていただければ、内窓が必要かどうかも含めてお伝えします。LINEでのご相談、またはお問い合わせからお気軽にどうぞ。
関連する記事
この記事の出典
- スリーエム ジャパン「3M ウインドウフィルム 住宅用ウィンドウフィルムのご案内」(2023年8月発行。日射熱取得率・ご採用にあたっての注意。2026年10月に確認)
- スリーエム ジャパン「Case Study 2026 熱割れ計算で最適なフィルムを選定」(2026年10月に確認)
- LIXIL よくあるご質問「窓や玄関のガラスにフィルムシートを貼っても良いですか?」「窓(サッシ)のガラスが自然に割れた(熱割れ)」「窓(サッシ)の結露を防ぐ方法」(2026年10月に確認)
- LIXIL お客様向け記事「『換気』と『窓用断熱フィルム』。結露防止の意外な落とし穴」(2026年10月に確認)
- YKK AP「窓の断熱がもたらす効果とは?」「もう結露になやまない」「窓の結露を軽減したい」(2026年10月に確認)
- 環境省・経済産業省・国土交通省「先進的窓リノベ2026事業」公式サイト(トップページ・対象要件の詳細。2026年10月に確認)


