
ご両親やおじいちゃん、おばあちゃんと暮らしている家で内窓を付けるとき、いちばん気になるのは「寒さがやわらぐこと」より、「毎日、らくに開け閉めできるかな」ではないでしょうか。内窓は、いまある窓の内側にもう1枚窓を足すものです。つまり、窓を開けるときは「内窓」と「いまの窓」の2枚を操作することになります。
この記事では、LIXIL(インプラス)・YKK AP(ウチリモ)・大信工業(プラスト)が公開している取扱説明書やサイトの内容をもとに、高齢のご家族のいる家で見ておきたい点をまとめました。「どの製品がいちばん軽い」とは、メーカーの資料では確かめられなかったので、書いていません。
文:ガラパゴス内窓 編集部 / 更新日:2026年10月
先に結論:見ておきたいのは「手のかけ方」と「鍵の位置」
- 内窓は「窓が2枚になる」ぶん、開け閉めの手順が1つ増えます。毎日開ける窓かどうかで、付ける場所を考えます。
- 引違い窓は、引手に指をかけて開けるつくりです。鍵(クレセント)の位置は、使う方の背の高さに合わせて決められます。
- 各社とも、指を挟まないための工夫や、障子(窓の戸)が外れにくくする部品があります。
- お手入れは、レールのほこり取りと、やわらかい布での拭き掃除が基本です。
- 「開け閉めが重い・かたい」ときは、戸車やクレセントの調整で直ることがあります。
内窓の開け閉めは、どんな手順になるか
LIXILの取扱説明書(インプラス・引違い窓)では、開け方は次の順番です。①クレセントの補助ロックを上にスライドして解錠する、②クレセントのレバーを下げる、③引手に指をかけて障子を開ける。閉めるときは、引手を持ってしっかり閉め、レバーを上げ、補助ロックを下げます。
鍵まわりの動きが「補助ロック→レバー→引手」と3つに分かれているので、手の力が弱くなってきた方や、指先が動かしにくい方は、実際に動かして確かめておくと安心です。窓の操作が気になる場合は、見積りの前に、お家のいまの窓のクレセントがどのくらいの力で回るかも、ご家族で話してみてください。
また、同じ説明書には「引手以外の部分を持って開閉しないでください」と書かれています。枠や框(かまち)を持って動かすと、思わぬけがにつながるおそれがあるためです。ご家族みんなで共有しておきたい約束ごとです。
取っ手(引手)と鍵(クレセント)の位置をどう決めるか
引手とクレセントの高さは、注文のときに指定できます。メーカーの資料で確かめられたのは、次のとおりです。
| メーカー・製品 | 確かめられたこと |
|---|---|
| LIXIL インプラス(引違い窓) | クレセントの位置は、窓の高さをHとして「H/4(または200mmの小さいほう)〜3H/4」の範囲で指定できる。引手の位置とクレセントの位置は同じ高さになる。範囲内でも、工場の設備の都合で作れない場合がある。 |
| YKK AP ウチリモ(引違い窓) | 以前はクレセントと引手の位置が連動していたが、それぞれ別々に位置を指定できるようになった。「ストッパー付安全引手」か「舟底引手」を選べる(YKK AP 販売店向けページ)。 |
| 大信工業 プラスト(引違い窓) | 取扱説明書では、手掛け框(ミゾのある框)をタテ枠のヒレ(気密材)に当たるように閉める、と案内している。引手の高さの指定については、確かめられなかった。 |
高さは「低いほど楽」とは限りません。立ったまま使うのか、いすに座って使うのか、車いすで使うのかで、手の届きやすい高さは変わります。いちばん毎日触る方の動きに合わせて決めるのが安心です。製品ごとの細かい指定範囲は、見積りのときに一緒に確認します。
指を挟まない・障子が外れないための工夫
YKK APのウチリモでは、販売店向けのページに「ストッパー付安全引手」を選べると載っています。また、障子が外れないようにする「外れ止め金具」を、縦枠側に付けて脱落のリスクを下げた、とも説明されています(FIX窓の項)。
プラストの取扱説明書にも、「障子の開閉はゆっくり行ってください。指をはさんで、ケガをする可能性があります」「ハンドルの操作は、無理のないよう確実に操作してください」とあります。どのメーカーでも、勢いよく動かさず、ゆっくり開け閉めするのが基本です。
なお、内窓の障子はガラスが入っていて、思ったより重くなります。LIXILの説明書には、障子を外すときの重さの目安と、人数で行うよう注意が書かれています。プラストの説明書にも「障子は重たいため、取り外しには危険が伴います」とあります。ご家族のなかの力の弱い方が、障子を外して掃除をするのは避けたほうがよいと考えます。
お手入れで気をつけたいこと
内窓の枠は樹脂でできていて、アルミと比べて傷がつきやすい性質があります。LIXILの説明書では、レールにたまった砂やゴミをそのままにして使い続けると傷の原因になるので、こまめなお手入れをすすめています。お手入れは、布やスポンジなどやわらかいもので行い、金属ブラシや金ベラは使わない、ベンジンやシンナーなどの溶剤は使わない、とされています。
プラストの説明書は、ほこりや汚れは市販の中性洗剤で拭き取り、有機溶剤(ベンジンなど)は使わないこと、障子は通常外さないことを前提にしていること、と案内しています。掃除のために障子を外す必要があるときは、無理をせず販売店や施工店に相談するよう書かれています。
日々のお手入れとしては、①レールのほこりを掃除機やブラシで取る、②やわらかい布で拭く、の2つで十分です。障子を外さなくてもできる範囲にとどめるのが、けがを防ぐうえでも安心です。掃除のしかたは内窓のお掃除のコツでも説明しています。
「重い・かたい」ときは、調整で直ることがあります
LIXILの説明書には、クレセントがかかりにくいときや、閉めても障子ががたつくときは、クレセント本体と受けの位置を調整するよう書かれています。また、窓の建付けが悪いときは、障子の下の戸車で高さを調整する方法が載っています。かかりにくいまま使い続けると、クレセントが動かなくなったり壊れたりするおそれがある、とも書かれています。
ご自分で調整が難しいときは、無理に力をかけず、施工した店にご相談ください。開け閉めがかたいのを我慢して使い続けるのは、窓にも手にも負担がかかります。
付ける場所を決めるときの考え方
内窓は、すべての窓に付けなければいけないものではありません。毎日、換気や出入りのために開け閉めする窓(たとえば掃き出し窓)は、操作の回数が多くなります。一方、あまり開けない窓や、はめ殺しの窓(FIX窓)は、操作の心配が少なくなります。
開け閉めの手間が心配なときは、まず「ご家族が毎日使わない部屋」や「開けることが少ない窓」から付ける、という進め方もあります。開き方を含めた窓の種類については内窓の開き方の種類、開けにくさの悩みは内窓の開けにくさのページが参考になります。
寒い季節の浴室や脱衣所の温度差については、ヒートショックと内窓のページで説明しています。
無料見積りで確かめられること
引手や鍵の高さ、窓の種類、設置する場所は、現地で窓を見ながら決めるのが確実です。「この窓は毎日使うのか」「どなたが開け閉めするのか」を、見積りのときにお聞かせください。
お見積りは無料です。費用は窓の大きさ・数・ガラスの種類で変わるので、窓の写真を送っていただければお出しします。
よくある質問
力の弱い高齢の親でも、内窓を開けられますか
メーカーの資料には、開閉に必要な力の数値は見つかりませんでした。そのため「大丈夫です」とは言い切れません。引手の高さや窓の種類を選んだうえで、ショールームや見本で実際に動かして確かめることをおすすめします。
鍵(クレセント)を付けなくてもよいですか
鍵(クレセント)の有無は、製品や窓の種類によって選べるかどうかが変わるため、ここでは言い切れません。鍵は防犯にも関わるので、いまの窓の状況に合わせて、見積りのときに一緒に決めましょう(防犯については内窓と防犯のページをご覧ください)。
障子を外して掃除してもよいですか
製品によっては外せるつくりですが、障子は重く、外れ止めを元に戻さないと落下するおそれがあります(LIXIL説明書)。プラストの説明書も、無理をせず販売店や施工店に相談するよう案内しています。力の弱い方が1人で外すのは、避けてください。
まとめ:毎日触る方の手に合わせて、窓と位置を選ぶ
高齢のご家族がいる家の内窓は、断熱の性能だけでなく、「誰が、どの窓を、毎日どう開けるか」で選ぶと失敗しにくくなります。引手と鍵の位置、窓の種類、お手入れのしやすさを、現地で一緒に確かめましょう。メーカーの資料で確かめられないことは、無理に言い切らず、実際に触って確かめるのがいちばんです。
窓の写真を送っていただければ、操作のしやすさも含めてご相談できます。LINEでのご相談、またはお問い合わせからお気軽にどうぞ。
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この記事の出典
- LIXIL「インプラス/防音・断熱内窓 取扱い説明書」MAL-78N(2020年10月発行)第3章・第4章・第5章・第7章
- LIXIL お客様FAQ「内窓『インプラス』の引違い窓にて、クレセントの位置を指定できますか?」
- YKK AP「ウチリモ」販売店向けページ「ウチリモ NEW!39のヒミツ」(No.07・No.38・No.39)
- 大信工業「内窓プラスト 取扱説明書」(2025年7月版)

